ASIAN KUNG-FU GENERATION、
編集盤『フィードバックファイル2』完成。
後藤&喜多がお互いへの想いと共に
2006年以降のアジカンの挑戦と激動を振り返る。
震災後、最初にステージに上がった時の写真が凄いんだよ。
みんな、いきなり顔つきがソリッドになってて。
「俺達、覚悟があったんだな」っていうのがわかった。
「ああ、いいバンドだな」って、あの写真を見て思いました。
あの顔つきはロックバンドだった
『MUSICA 2月号 Vol.83』P.42より掲載
■今日はバンドリーダー喜多さんとフロントマン後藤さんに来ていただきました。
後藤正文(Vo&G)「なるほど。それ、いいですね」
喜多建介(G)「リーダーっぽいこと言わなきゃ(笑)」
■(笑)もう数え切れないくらい取材してますが、MUSICAでこの組合せでインタヴューするのは初めてで。そもそも、バンドの中でのおふたりの関係性ってどういう感じなんですか?
後藤「でも、普段はまったく絡みがないんですよ」
喜多「このふたりに限らず、4人ともそうだよね」
後藤「うん。それは別にデビューしたからそうなったわけじゃなくて、大学の時からそういうバンドで」
喜多「お互いの家とかに遊びに行ってたのは、大学入って結成した最初の1、2年ぐらいですかね」
後藤「俺と建ちゃんがつるんでたのは本当にごく最初だけだよね。その後、建ちゃんは山ちゃん(山田貴洋/B)と一緒にいる機会のほうが増えてったんで」
喜多「ははは。単純に家が近かったから(笑)」
後藤「僕は僕で外の友達がいたりして。だから俺達、大学の頃から普段4人で呑もうとかっていうのはずっとない。いろんな人が集まってるところに全員いるとかはたまにあるけど。でも俺や建ちゃんがブルースとかやってる先輩と呑んでる時も、山ちゃんと潔(伊地知潔/Dr)はそんなにいなかったしね。潔とか山ちゃんは面倒くさがりだから、そういう場所に来ること絶対なかった(笑)」
喜多「ま、俺らは先輩と話するのが好きだったしね」
後藤「一緒に音楽の話するの面白かったよね。先輩達のいろんな音楽の解釈を聞くのが好きで。金ないけど呑みに行ってたよね(笑)」
■ということは、アジカンはあくまで音楽をやる時に集まるっていう感じだったんですか?
後藤「そうですね。第三者も一緒にってことはあるけど、4人でっていうのは、今も昔もとにかくバンドやる時以外はない。サシで呑むこともほぼないしね。それはなんか恥ずかしい、今でも」
■あ、恥ずかしいんだ?
後藤「気恥ずかしいですよ。音楽的にもそういうところはあるかもしれないですね。(音楽的な嗜好が)被ってるところと被ってないところがあるし」
喜多「バラッバラではないけど、被ってるところは意外と少ないよね。まぁでも、それでも重なってるところがあるから上手く行ってるのかなとは思いますけど」
■お互いはどういう存在だと思いますか?
後藤「俺、喜多さんのことは割と気にしてるんですけど」
喜多「気にしないほうがいいよ(笑)」
後藤「最近は心配のほうが強いかなぁ」
■それはなんで?
後藤「ほら、『アジカンしかない人』みたいになってきてるじゃん?」
喜多「キャラ的にもね(笑)」
■4人の中で唯一サイドワーク的なことをやってないですしね。
後藤「だからむしろ、建さんはもっとアジカン頑張ったほうがいいんじゃない?と思ってる。最初に誘ったのも建ちゃんだしさ」
喜多「それ、もうだいぶ前だねぇ」
後藤「だいぶ前っていうか、一番最初だよ。最近だったらおかしいでしょ!(笑)」
■はははははははは。
後藤「でもさ、当時は『俺が歌う』とか言ってたもんな?」
喜多「いやいや、『歌う』とは言ってないよ」
後藤「自分のこと『ギター&ヴォーカルだ』って言ってたじゃん!」
喜多「言ったっけ? 全然覚えてないな(笑)」
(続きは本誌をチェック!)
text by 有泉 智子