Posted on 2013.07.20 by MUSICA編集部

a flood of circle、新アルバム『I’M FREE』で見せた理屈抜きのロックンロール

俺の居場所はロックンロールだけ――
逆風と変化に晒され続けたAFOCが
初めて手に入れた安堵と平静の中で、
ただその確信だけを頼りに作り上げたニューアルバム『I’M FREE』。
理屈もへったくれもなし、泰然自若のぶっ太いロックを
その耳で、その心と身体で受け止めよ

『MUSICA 8月号 Vol.76』P.82より掲載

■今回は、本当になんの理屈もなく、ただのロックンロールアルバムだと思って聴かせてもらって。ただのロックンロールナンバーが12曲入ってるだけのアルバムだと。

「あははは、それ、どうなんですかね」

■いや、これはもの凄く褒め言葉のつもりで言ってるんですけど。

「めっちゃネガティヴワードだと思った(笑)」

■(笑)でも、これまでメンバーの入れ替わりとかバンドを取り巻く状況とかいろんな物語があって、その度に今思ってることっていうのをテーマとして掲げてアルバムを作ってきたと思うんだけど、今回はそういう理屈やテーマを抜きにしてやりたいことをやり切った作品なのかなっていう気がしていて。

「あぁ、そうですね。そういう気持ちよさはありますね。今必要だなと思うアルバム、一番聴きたいアルバムができたし。再生回数的にも、今までで一番自分でも聴いてるし」

■自分でもやり切れた充実感や満足感を感じてるんだ?

「そうですね。場所とか人とかを選ばないで、遠くまで飛ぶアルバムにしたかったんですよ。『LOVE IS LIKE A ROCK’N’ROLL』の時は震災の後の反射神経で<LOVE>が出てきて、次のミニアルバムは何故か<FUCK>まで行っちゃったんですけど、その時は震災から時間が経てば経つほど、自分が社会の中で何かしなきゃいけないんじゃないか?って強迫観念のようなものを凄く周りに感じてて――まぁバンドマンだけかどうかわからないですけど、俺はそれを突破する曲を書きたくて“FUCK FOREVER”を書いたんです」

■うん。よくも悪くも、バンドを取り巻く環境とか、今の世の中に自分達が何を鳴らせるのかっていう役割意識とか、そういうものを常に意識してましたよね。

「でも、今回はバンドが初めて2年半続いたっていうのもあったし、ちゃんとじっくりメッセージを作ったりメロディを作ったりするアルバムにしたくて。もっと人に歌を聴いて欲しいっていう気持ちが強かったんですよね。反射神経とかだけじゃなくて作れるもんがあるんじゃないかって」

(続きは本誌をチェック!)

text by 寺田 宏幸

『MUSICA 8月号 Vol.76』より

Posted on 2013.07.19 by MUSICA編集部

2013年台風の目であるKANA-BOON。フロントマン谷口鮪の表現の真ん中に迫る。

「本当のことは言えやしない 暗い海の底、深く深く
辿り着く者など誰もいない 表面化したお面のその下」
破竹の勢いでシーン席巻中の2013年ブライテスト・ホープ、
そのブレイン:谷口鮪の深部に迫るべく、単独インタヴュー敢行

『MUSICA 8月号 Vol.76』P.68より掲載

■今回は鮪くんひとりに深く話を訊いてみたいと思って、取材をオファーしました。

「ひとりだと緊張しますね(笑)」

■4月に初のミニアルバムをリリースして、セールスも動員も凄い勢いで伸びているんですが、自分ではどう受け止めていますか?

「純粋に嬉しいですね。人が自分達に興味を持ってくれることは、ただただ嬉しい。ただ、もっとミュージシャンらしくしなあかんなっていうのは最近思ってて」

■それはどういう意味で?

「ブログひとつとってもそうですけど、いろんな人が見るってことをもっと考えないといけないなとか………まだ慣れないだけなんですけど、やっぱり戸惑いもあって。人目に曝されるという面が一番デカいですかね」

■ちなみに、人目に曝されるのは好きな人なんですか?

「好きじゃないです(笑)。ステージに立つ時は全然OKになるんですけど、それ以外はまだ……人と話したりするのも苦手やし」

(続きは本誌をチェック!)

yoritext by 有泉 智子

『MUSICA 8月号 Vol.76』より

Posted on 2013.07.18 by MUSICA編集部

plenty、殻を破り覚醒を迎えたワンマンツアー密着レポート

「人生でこんなにも声が出なかった日はなかった」と
悔しさに肩を震わせた夜を越え、
覚悟をもって感情を曝け出し、その生き様を歌と音に映し出し、
大切なモノを掴み取った、覚醒へのドキュメント。
分厚い殻を破り、大きな頂きを越えたplenty、
そのターニングポイントの瞬間に完全密着

『MUSICA 8月号 Vol.76』P.60より掲載

「………大事なことがわかった気がする。……………こうやって人を巻き込んでいくんですね。こうやって歌っていくんですね。………忘れないな、今日のライヴは。絶対に忘れない…………」

 6月15日(土)、仙台Rensaでの公演が終わった後、江沼郁弥は楽屋のソファに深く身を沈めながら、とても満ち足りた笑顔を浮かべ、何度も噛み締めるようにその言葉を繰り返した。これから綴るのは、彼がその言葉に辿り着くまでの2日間のドキュメントだ。5月にリリースしたセカンドアルバム『this』は音楽性/メッセージ性双方においてplentyが大きな飛躍を遂げた大傑作だったが、この2日間は、「生きること」をテーマに音楽を歌い鳴らすバンドがライヴという現場でそれをいかに表現するかという意味において、とても大きなターニングポイントを越えた瞬間だった。

 6月14日(金)、「plenty 2013年 梅雨 ワンマンツアー」6本目となる新潟LOTS公演当日。15時40分に会場に到着し、そのままフロアへ向かうとステージ上ではリズム隊がサウンドチェック中。新田紀彰とサポートドラムの中畑大樹のコンビが音を鳴らしている。楽屋にて、ちょうどお弁当を食べ終えた郁弥に遭遇。挨拶がてらツアーの調子を問うと、少しも迷うことなく「よいです」という返答が返ってきた。実はこれって珍しい。郁弥は自己評価がとても厳しくて、こっちが凄くよかったと思うライヴでも、終演後の楽屋で「もう終わりだー! こんなんじゃダメだ、解散だー!」と叫ぶような人である。ツアーが始まる少し前に話した際、「今度のツアーでは『this』の肉体ヴァージョンを魅せますよ!」と意気込んでいたのだけど、どうやら自分でもはっきりとした手応えを感じるライヴができているようだ。

 16時10分、リハ開始。plentyは今年の4月のライヴからサポートギターにヒラマミキオを迎え、4人体制でライヴを行うようになった。これは3rd EP以降、『this』に向かう道程で格段に緻密かつ多彩なアレンジが行われるようになった音像をステージ上でも表現するための策で。もちろん功を奏し、ヒラマが入って以降、ライヴにおいても楽曲が持つ繊細かつ雄弁なサウンドスケープをより表情豊かに表すことができるようになり、音楽体験のレヴェルがはっきりと上がっている。

 リハは特に問題もなく、淡々と進んでいった。1曲丸ごと演奏することはほとんどなくて、モニターの調整と確認をメインに進んでいく。ステージ上からは時折笑い声も聞こえてきたりして、4人の間に通う空気はとても穏やかだ。バンドの状態がいいことの何よりの証である。

(続きは本誌をチェック!)

text by 有泉 智子

『MUSICA 8月号 Vol.76』より

Posted on 2013.07.17 by MUSICA編集部

THE BAWDIES 怒涛のロングツアー&初アリーナワンマン総括インタヴュー

未知の領域へと踏み込んだ
「僕らのロックンロール」の使徒達が
怒涛の旅路の果てに見出したもの、
その深部に徹底的に迫る

『MUSICA 8月号 Vol.76』P.48より掲載

■今日は全47都道府県、59本のツアーを終えて、そのツアー全体を振り返りながら、このツアーを通してバンドとして、それぞれ個人として感じたことや得たものについて訊いていこうと思います。

全員「よろしくお願いします」

■まずは、ファイナルの大阪城ホールを終えた時に抱いた率直な気持ちを教えていただけますか?

ROY(Vo&B)「なんかね……感動しましたね。ツアーって単純に楽しいだけのものじゃないし、その過程にはいろんなストーリーがあるものなので、そういうもの全部ひっくるめて、最後に全部出し切って『終わった』っていう感覚があって。脱力感も達成感もどちらも感じましたね」

■あれだけのロングツアーを終えたわけだから、一気に緊張の糸が切れて力も抜けたんでしょうね。

ROY「そうですね。そういう感覚は久しぶりでしたね。今回のツアーで感じたのは、好きなことでも限界まで突き詰めていくと、やっぱり苦しいことも出てくるし――でも、それでも続けられるってことこそが、本当に自分の好きなものなんだろうなってことで。結果的に、やっぱり自分はロックンロールが好きなんだなってことを確かめられて、なんだか安心しましたね」

MARCY(Dr&Cho)「自分は大阪城ホールが終わっても、まだツアー続くんじゃないかなって気持ちになりました。気持ち的には今日のファイナルで終わりだっていう感じなんだけど、体のテンションはまた2日後にどこかの街でライヴだ!っていうモードのまんまで。それはちょっと不思議な感覚でした」

■TAXMANさんはどうした?

TAXMAN(G&Vo)「まず達成感はありましたね。最初の頃はほんとに終わるのかな、いろんな意味で最後まで持つのかなって不安になるぐらい長いツアーだったので。でも、この経験のおかげで間違いなくタフになれたと思います」

JIM(G&Cho)「僕はですね、大阪城ホールのステージから下りて、まずホッとしましたね。ホッとして安心しつつも『ああ、終わっちゃったな』って名残惜しくなって、その後に『ああ、でもいいツアーだったなぁ』と。そういう三段活用でしたね(笑)」

 

(続きは本誌をチェック!)

text by 板子 純一郎

『MUSICA 8月号 Vol.76』より

Posted on 2013.07.16 by MUSICA編集部

2号連続取材![Champagne]メンバー全員による、アルバム『Me No Do Karate.』全曲解説

アルバム『Me No Do Karate.』追撃企画!全曲解説インタヴュー

『MUSICA 8月号 Vol.76』P.36より掲載

#1.Rise

■これは洋平くんの口ドラムから始まるという――。

川上「そうなんですよ! 打ち込みかと思わせて俺の口ドラムなんです」

■そんな始まりとは思えない非常に雄大でドラマチックな、物語の幕開けを高らかに告げる曲で。

川上「これは去年の年末に自宅で作ったんですけど、まずBメロができて。で、それを年始一発目のスタジオに持って行って、メンバーで合わせたんです。その時はROSEもいて、でもヒロがいなくて。なんでいなかったんだっけ?」

磯部「覚えてない。風邪ひいてたんじゃない?」

川上「それでヒロ以外のメンバーとROSEの4人でやって。最初はもっとアップテンポだったんですけど、テンポを落とすことでもっと大きな雰囲気の曲になりそうだなと思って試したらすぐAメロを思いついたんです。で、1時間ぐらいずっとやってたらパッとサビが降りてきて、その瞬間にもう<Tonight>って歌ってましたね。ちなみにその時のサビは今の倍ありました、気持ちよ過ぎて歌い終われなくて(笑)」

■(笑)。

川上「で、ひと通り通したところで聡泰と『これはキタね』って言い合ったのを覚えてます」

庄村「そうそう。最初はセッションしながら気持ちいいなって感じだったんですけど、洋平がサビを歌い出した瞬間にパッとなりましたよね。こうやってたのがパッと(と、俯いて叩くフリからパッと顔を上げて目を見開く)」

■凄く文字にしにくいんだけど(笑)、まぁその瞬間に曲が覚醒したってことね。

川上「当時はまだアルバム制作の最初のほうなのでちょっと気楽なところがあったよね。まぁその後もの凄い状態になっていくんですけど(笑)」

白井「その段階でデモが4曲ぐらいあったんですよ。だから今回は早いペースでできそうだな、洋平も調子いいんだなって思ってたら……(苦笑)」

(続きは本誌をチェック!)

 

text by 有泉 智子

『MUSICA 8月号 Vol.76』より

Posted on 2013.07.15 by MUSICA編集部

尾崎世界観、その半生をすべて語る

「俺、何やってるんだろう、なんでもいいから世の中に復讐してやる!」って思って、ギターとエフェクターボード下ろして、ズボンのチャックも下ろして、マンションの6階から小便しました

MUSICA 8月号 Vol.76P.25より掲載

「どうしましょうか。どんなモードで行けばいいですか?」

■そうだね、ライヴのMCネタでも有名なマサルさんとユミコさん(ご両親)に泣いて頂こうか。

「いやー、そのハードルもの凄く高いですよ、きっと(笑)。なかなか泣いたり喜んだりしないですから。でもわかりました、頑張ってみます」

■このインタヴューでは尾崎世界観とクリープハイプのすべてのクロニクルを聞いて行きたいと思うんですが。あれだけご両親をネタにするってことは、大きな影響を受けてるからなんだろうね。

「んーどうなんですかねぇー……かもしれないですね、まぁ凄く一緒にいた人達だですからね。結局は自分の一番のお客様ではあると思いますね、両親というのは。んーなんだろうなぁ……ちょっとずつ変わって行ってるところとかも見て欲しいし、感謝してるし……なんだろうなぁ……。マサルやユミコから音楽やっていくことに関してサポートを受けていたわけではないので。むしろ逆のことのほうが多かったですから。……なんかこう、見返してやりたいって気持ちもあるし、ありがとうございますって気持ちもあります。そういう意味では今、こんな風になったぞっていうのは見て貰いたいですね。勿論このインタヴューも(笑)」

■今現在、親に望まれたポジションを自分がステージの上で演じてるって感じじゃないんだ。

「そうですね――どう見積もっても、こんな感じになるとは思ってなかったと思うんで。なんとなく向こうも、『あれ? 状況変わってるな?』って思って慌てて応援し始めてくれたわけで(笑)。でもこういう親のほうが健全ですけどね。『あんたは絶対やりたいことやればいいんだから任しときなさい、私達が何とかするから』みたいのって、昔から気持ち悪いし嫌だったんで。そういう育てられ方したらこうなってないと思います」

■ご両親にはどういう風に育てられ、どんな子供だったんですか?

「今思うと、ひねくれた子供だったなと思ってて。色々なことを考えてましたね……『この人こう思ってんじゃないか』とか、人の気持ちをよく考えてました。物心ついたときから大人同士がしゃべっているところが好きだったんですよ。その会話を聞きながら、何かを想像して膨らましていくクセが身についたっていうか……」

 

(続きは本誌をチェック!)


text by 鹿野 淳

MUSICA 8月号 Vol.76』より

 

 

Posted on 2013.07.14 by MUSICA編集部

クリープハイプ、初のメンバーインタヴューを敢行。 尾崎世界観と歩む中で辿り着いたそれぞれの「必然性」とは。

小川幸慈、長谷川カオナシ、小泉拓の『吹き零れる程の、I、哀、愛』

『MUSICA 8月号 Vol.76』P.22より掲載

■今までとこれからが全部響いてくる金字塔が出来ましたね。

全員「ありがとうございますっ!」

長谷川カオナシ(B)「はい、本当にいいアルバムできましたよ」

■……そんな眼力強い目で、瞬きもしないで言わないでよ。

カオナシ「す、すいません」

■前作の『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』というアルバムを作ってからすぐに、尾崎の中ではこのアルバムのタイトルが浮かんだっていう話をさっき聞いたんだけど。そこから始まりシングル3枚を経由しながらこのアルバムを作っていた1年間だったと思うんです。その中での状況の変化をどう感じてましたか? タイアップはつくわ、イベント出れば集客増えてるわ、見てる人の顔は違うわ……という中で。

小川幸慈(G)「バンドをやり始めた時からずっと、僕も人のいないライヴハウスでライヴをしていたので(笑)。クリープハイプのメンバーになって、このメンバーで徐々にお客さんが増えてきて、昔思い描いていたようなでっかいところでライヴができるかな?とかっていうことが、現実になってきてる……だから僕らはまず、今までよりもっとバンドとしての技術的な部分での向上が必要だし、ライヴをする上で、『襟元正す』みたいなことを最初は意識しましたね」

小泉拓(D)「例えば、クリープハイプが船だとして、自分がそれに乗ると、今まで思い描いてた音楽で食べてくっていうイメージが転がってくんだろうなってずっと思ってて。それがようやく(笑)」

■それは、尾崎にその才能があると自分が感じていたから?

小泉「きっとそうなんでしょうね……やはり尾崎くんという人物がデカイと思いますね。決める時に、決めるヤツじゃないすか(笑)。タイアップ決める時も(クライアントの会議室に)弾き語りで乗り込んで行ったりとか、そういう人と人との繋がりを間近で見てきてるので。だから、自分達はやれることを自分達の持ち場でちゃんとやっていれば状況はついていくよなって信じてました」

(続きは本誌をチェック!)

text by 鹿野 淳

『MUSICA 8月号 Vol.76』より

Posted on 2013.07.13 by MUSICA編集部

クリープハイプが満を持して放つ『吹き零れる程のI、哀、愛』。 フロントマン尾崎世界観が掴んだ、「手応え」と「決意」。

尾崎世界観の『吹き零れる程の、I、哀、愛』

『MUSICA 8月号 Vol.76』P.18より掲載

■名作誕生、おめでとうございます。

「はい、ありがとうございます」

■またしても全曲すべて素晴らしい、デビュー以来1曲も捨て曲がないという実績を更新するアルバムが生まれました。

「『い い曲が入ってるな』とは毎回思うんですけど、今回は特に『いい曲をちゃんとやりたい』っていう気持ちがあったんで。なんか、(メジャーでのアルバムの)2 枚目で微妙になる感じは嫌だなと思って(笑)。そういうバンドっているじゃないですか。ファーストはよかったのに、2枚目で冒険を始めて崩れてくってい う……そうはなりたくないなって。だから今回は『いい曲をちゃんとやりたい』って、凄く思ってて」

■(メジャー)1枚目で注目を浴びたからこそ、2枚目は冒険をせず「クリープハイプ」というイメージをきっちり守って作って、その上で3枚目でバーンと勝負作を作ろうとしてるってこと?

「い や、全然違います。それはないです。そういうんじゃなくて、単純にいい曲を作りたいし、あと『俺ら変わらないよ』って言いたいという気持ちはありました。 ――きっと聴いてくれる人からしたら、サウンドに新しい何かを取り入れてだとか、そういうのはクリープハイプに対してはあんまり欲しくないと思うんです よ。僕がリスナーだったらそうだから。そこは気を遣ったというか…………上手く説明できないけど、安心して欲しいっていうのはあったんです。曲自体もよく なってるし、僕らは間違った方向には行ってないって示したかったというか」

■なるほど。でも、僕はこのアルバムは大変化作だと思ってるんですよ。

「あぁ……」

■前作のメジャーデビューアルバムは、メジャーに行った証を“オレンジ”という1曲できっちりと記したアルバムだったと思うんですけど。

「はい、そうです」

■今回は、自分達がいい曲を作っていけばどこまででも大きくなれるんだっていう気持ちがアルバム全体に行きわたった、非常にポップな装いで、今までのクリープハイプの閉塞感を覆す名作だと位置づけてもおかしくないアルバムに意図的になっていると思っています。どう?

「うー ん………曲に関しては、本当に凄くいい曲ができていると思うんですけど。今回、自分が曲を作るタイミングにも恵まれてたと思うし。自分の中にあるものと自 分がやろうとするものが、凄くタイミングよく開いていったというか……」

(続きは本誌をチェック!)

text by 鹿野 淳

『MUSICA 8月号 Vol.76』より