Posted on 2012.12.25 by MUSICA編集部

スペースシャワー列伝JAPAN TOUR2013開催記念対談! 前編・中嶋イッキュウ(tricot)×金廣真悟(グッドモーニングアメリカ)

恒例!シーン中枢への登竜門「列伝TOUR」出演バンドの対談2連射!
第1弾はtricotの中嶋イッキュウと、グッドモーニングアメリカの金廣真悟。
音像は真逆ながら、同じく強き表現者であるふたりを迎撃!

『MUSICA 1月号 Vol.69』P116に掲載

■両バンドは、これまであまり一緒にやる機会はなかったと思うんですが――。

中嶋イッキュウ(tricot/Vo&G)「そうですね、(対バンしたのは)1回だけですよね?」
金廣真悟(グッドモーニングアメリカ/Vo&G)「うん、それこそ、スペシャ列伝のイベントで」

■ではまず、お互いの音楽性に対して、どんな印象を持っているのかから教えてください。

金廣「『女性のバンドでこういう音楽やるんだ?』っていうのが第一印象ですね。たとえば最近のガールズバンドっていうと、チャットモンチーだったり、ねごとだったりというイメージがある中で、(tricotは)アンダーグラウンドで複雑な匂いがあって、音も凄くゴリゴリしていて。対バンする前から周りのバンドマンからも『tricotカッコいい』って聞いてたんで、『カッコいい女性バンドってどんな感じだろう?』って思いながら観てたんですけど、『いいところ攻めてるなぁ!』って思いましたね」
イッキュウ「私はグッドモーニングアメリカって自分らとは真逆というか、凄いストレートやと思ってて。ストレートにやるのって、逆に難しいと思うんですよ、頭ひとつ抜けるのが。でも“空ばかり見ていた”のサビとか凄いなぁと思って。あと、初めて聴いた時に『ハモりが完璧やな!』って思った(笑)」

■tricotがポストロック的な複雑なサウンド構造をしているのに対して、グッドモーニングアメリカは非常にシンプルなギターロックで。つまり、イッキュウさんが言ったように音像的には真逆なんですけど、どちらのバンドも歌とメロディが真ん中にあるっていうところは大きな共通項だと思うんです。そういう点で感じるシンパシーみたいなものはあったりしたんですか?

金廣「いや、まだそこまで感じることはないですね。1度だけ対バンしたくらいなので。音楽的なシンパシーとかを感じたりっていうのはまだないんですよね。だからそこは今回、楽しみで」
イッキュウ「私もそうですね。ここまで真逆の色のバンドとこうして直接一緒に回るのは初めてなので、そこから得られるものがめっちゃ楽しみですね」

■そもそも、それぞれのバンドの楽曲って、どういうふうにできていくんですか?

金廣「ウチは全部、僕が作りますね。ドラムだけ『お願いします』っていう感じで。アレンジまで大体は自分でやっちゃいますね。ある程度頭の中で作って、書き出して、また構築したものをメンバーに渡して、そこからまた自分に戻してっていう感じです。ギターソロも作るし(笑)」
イッキュウ「ウチと真逆ですね。私達はまったく何もないところから、みんなでスタジオで作るんです」
金廣「へー! いいなぁ、それ……。楽しそう」
イッキュウ「(笑)。それで、オケが全部できてから最後に歌を乗せるという感じで。歌乗せる側から言うと、拍子も変わるし、複雑で意地悪なオケなんですけど(笑)」
金廣「確かに意地悪だね(笑)」
イッキュウ「ほんとに、『これに歌を乗せるの!?』っていうこともあるんですよ(笑)。でも、それが楽しみだったりもするんですけどね」

(続きは本誌をチェック!)

text by 矢島大地

『MUSICA 1月号 Vol.69』のご購入はこちら

Posted on 2012.12.24 by MUSICA編集部

THEラブ人間、 生を渇望するバンド第二期の始まり

バンド結成から3年半。
無我夢中で駆け抜けた「青春」に終止符を打ち、
新たな季節が幕を開ける。
これまでになく他者との繋がりを求め、
「生」を貪欲に謳歌しようとする金田康平。
シングル『アンカーソング』に込められた
命のバトン、受け取るのはあなただ

『MUSICA 1月号 Vol.69』P110に掲載

■シングル『アンカーソング』がリリースされるわけですが、まず、最初に7月にあった『恋に似ている』のツアーファイナル、リキッドでのライヴについてお話を訊きたくて。あの夜はバンドにとっても、金田さん自身にとってもとても大きな意味を持っていたと思うんです。MCでもバンドを結成してからの3年半を今夜終わらせるんだということをおっしゃっていましたよね。

「『恋に似ている』のツアーを回っている途中、自分がTHEラブ人間をバンド結成してから目指していたひとつの理想形に到達したなって思う瞬間があったんです。それは……音楽始めた時から思っていたことなんだけど、来てくれた人達に何かしらの『言葉』を持ち帰ってもらうっていうことで」

■それは歌詞っていうこと?

「歌詞だけじゃなくて、MCで喋ったことも含めてなんですけど。だけど、その必要はもうないって思ったんです。今俺がMCで喋ってる言葉も全部楽曲にして封じ込めれば、言葉というものは不純物にしか見えなくなってくるなぁと思って。それで、これまでのライヴのスタイルの完成形をリキッドで見せて、それ以降を第二期にしようって自分の中で決めましたね」

■アルバムのインタヴューをさせてもらった時にも、バンド始めてから3年半、もっと言えば音楽始めて13年ぐらいの時間が過ぎて、初期衝動ってものは既にないけど、その残りカスまで燃やし尽くすためのアルバムなんだってことを話してましたけど。その延長線上にある感覚ですか?

「そうですね。初期衝動を全部封じ込めた『恋に似ている』という作品のライヴとしての完成形をツアーで見せたところで、全部が終わるってことだったと思うので。でも、ツアーも途中からCDになってない最新曲とかをセットリストに織り交ぜて、地方でやってましたね、耐え切れなくて(笑)。やっぱり自分達の最新型を見せたくなって」

■これまではライヴに来てくれた人達に言葉を持ち帰ってもらいたいという意識があったということですけど、でも金田さんはバンドで音楽を作って、ライヴで鳴らしているわけで。それでも音楽全体というよりも、とにかく言葉を伝えたいって気持ちが強かったんですか?

「そうですね。音楽のことって――俺は音楽家だから、たとえばこのリフがカッコいいわとかわかるけど、普通に聴いてる人にはそういうのって正直わかんないんじゃないかなって思うし、演奏が上手いとかカッコいいとかよりも、他に残るもののほうが大切だよなって考えていて。それが俺らは言葉だと思ってるっていうだけのことで」

■なるほどね。そして、大きな区切りとなったリキッド以降最初の作品がこの『アンカーソング』であって、このシングルにはインディーズ時代からリキッドまでのライヴ映像で構成した『青春期終焉GIG映像集【恋に似ていた】』というDVDがつきますけど、金田さんの中ではリキッドまでが青春だったという感覚があったんですか?

「メジャーデビューの作品も『これはもう青春じゃないか』だったし、一番わかりやすくひとつの季節が終わるってことを表すために『青春』という言葉を使ったんです。無知さ、無邪気さというものだけで走れた瞬間を終わらせますっていう」

■そして今、新たな季節に入っているわけですけど、どういう季節にしていこうと考えてます?

「終わらせたというよりも、手に入れたものがあったから第一期が自動的に終わった感じです。あのリキッドで、『俺は全部手に入れた』って言ったんですよね。それは今まで欲しかったものはおおよそ手に入れたなと思ったからで。それは知識だったり、お金だったり、音楽に集中できるための時間だったりというものなんですけど。で、今回の第二期っていうのは、前よりももっと普通の人間、普通の生活というものに歩み寄っていく――優しさが重要というか……」

(続きは本誌をチェック!)

text by 板子淳一郎

『MUSICA 1月号 Vol.69』のご購入はこちら

Posted on 2012.12.24 by MUSICA編集部

a flood of circle、 中指を突き立てロックを叫ぶ

威勢よく中指を突っ立てろ!
愛憎まみれていきり立つ激情の濁流と
再生に懸ける真摯なる想い――
泥水を啜る狂犬のブルース、さらに極まる!!

『MUSICA 1月号 Vol.69』P106に掲載

■1年ぶりのアルバムなんですけど、前作が『LOVE IS LIKE A ROCK’N’ ROLL』っていう<LOVE>をテーマに掲げたものだったから、『FUCK FOREVER』って言葉尻だけを捉えると真逆なものになっていて。

「うん、そうですね(笑)」

■一方で、内容をちゃんと捉えていけば、とても佐々木さんらしい、シニカルなんだけど前向きなロックンロールだとわかるんだけど。

「そう。最初、結構簡単なきっかけがあったんですよ。『LOVE IS LIKE A ROCK’N’ROLL』を出した後が絶不調で、凄くダウナー期で。ライヴも体調悪くて、気合は置いて帰るんだけど歌い切れないで終わっちゃう、みたいなのが結構あったんです。で、イライラしてるうちにテンションもどんどん低くなってきちゃって。それが11月中旬から12月、1月ってずっとよくなくて……たまたまいろんなことがリンクしてたんですけど。たとえば、“理由なき反抗(The Rebel Age)”の歌詞にも出てくるんですけど、<「お前にしか出来ない仕事なんてこの世にない」>ってことを言われたりとか」

■これは実体験だったんだ?

「バイト先の人に言われたんです。あと、婆ちゃんが仙台に住んでて、去年の地震で地盤が緩くなっちゃったり壁とかが割れちゃってすぐに住めない場所になったところが結構多かったんですよ。でも、誰が区画を決めるのかわからないんですけど、『ここからここまでは税金で直します。ここから先は直しません』みたいなのがあって、行政に電話しても『決まったことなので』って言われて、気持ち悪いなっていう……そういうイライラすることが積み重なっていって、ピークになった1月くらいに“FUCK FOREVER”の歌詞を書いたんですよ。ツアーで地方行っても凄くイライラして、それでも酒は毎日呑んでたんですけど、ホテルに帰ってきてシャワー浴びながら、マジで鏡に向けて中指を立ててるっていう感じだったんです」

■え、誰も見ていない中ひとりで?

「そう、部屋で(笑)。で、<FUCK FOREVER>っていうのが最初にまず出てきて、ほんとに洗面所で鏡に中指立てて書いたような歌詞なんです。特に地震から後って――前からそうですけど、バンドマンってクズっていうか(苦笑)。『ギターなんて置いて、人の役に立つことをしろ』って言われたらぐぅの音も出ないんです。だけど、そこを敢えてやっていることの意味とか、自分の中で何故それが大事なのか?っていうことをもっと見つめていくべき時なんじゃないかなって思ったんですよね。所詮チンピラなんだから、言いたいことは全部言わなきゃいけないんじゃねぇの?って。だから、<LOVE>にとても似た気持ちで<FUCK>が書けたのがデカくて。<おはようクソくだらない世界>を<始めようクソ素晴らしい世界>にしたいからやってるんじゃん!って、なんとなく歌詞を書いているうちに自分の気持ちがわかってきたんですよね。そこから『FUCK FOREVER』のモードが始まったっていう感じですね」

■<I LOVE YOU>って歌った直後に自分から出てきた言葉が<FUCK FOREVER>だったっていうのは、自分でも全然驚かなかった?

「うん。そこはむしろ正しかったんじゃないかなと思っていて。やっぱり疑り深いんでしょうね、自分を疑ってるから。“I LOVE YOU”は本当に書いてよかったなと思ってたんですけど、自分の生活の中で『今、すげぇLOVEがあるぞ』っていうのと同時に生まれてる負の部分を無視するのは嘘くさいと思っちゃったんですよね。俺が40や50だったら、みんなでハッピーに歌えるもっとデカい歌を作ろうっていう発想だったかもしれないけど、今の俺はこの<FUCK>を見逃したり、攻撃性はナシでハッピーにいこうよ!っていうんじゃ違うような気がしたんですよね。俺、『一生、<I LOVE YOU>でいいや』とはやっぱり思わないし、“I LOVE YOU”があったからこそ、初めてこれだけじゃダメなんじゃないかって思ったし。自分の中で<LOVE>も<FUCK>もちゃんと言えるモードがしっくりきてて、それがあるから<I LOVE YOU>が言えるんだなって確かめられた感じでしたね。だから、あまり『俺、なんで<LOVE>の後に<FUCK>に行っちゃったんだろう?』って気持ちはなかったですね。同じ気持ちで書けたっていう」

(続きは本誌をチェック!)

text by 寺田宏幸

『MUSICA 1月号 Vol.69』のご購入はこちら

Posted on 2012.12.23 by MUSICA編集部

ACIDMAN、その壮大かつ独創的世界を改めて紐解く

結成15年、デビュー10周年の年の暮れに
掲げる最後の光、それは“新世界”。
直情的に始まり=終わりを唱えるスピードナンバーは、
アシッドマンを如何なる新世界へと誘うのか?
集大成にして新たな地平を見せるシングルを、
オオキ大いに語る。アルバムももうすぐだ!!

『MUSICA 1月号 Vol.69』P102に掲載

■今年2枚目のシングルなんですが、♪ウォ~ウォ~!と叫び歌ってまして。

「はい(笑)。確かに歌ってますね」

■しかもその部分の歌詩に<今日>という言葉が当てられていて、文学と掛け声が合わさってる。これが象徴的なんですが、非常にアグレッシヴで直情的な曲ですよね。タイトルも“新世界”だし。

「とことん真っ直ぐですね(笑)。前作を録り終わったくらいに、結構衝動的に作ったんですけど。詩はまだでしたけど、いつものようにメロディだけは先に作ってて。ちょうど凄くスロウな曲を作ってた時だったので、その反動で何も考えずにバーっとやって。で、何通りもの言い回しの歌詩を書いたんだけど、どう逃げても真っ直ぐ行くしかなくて。“新世界”というタイトルも、今までずっと言ってきたことなんだけど、やっぱりこの言葉しか当てはまらなくて。これはもうストレートにいってみようっていう感じでしたね」

■前作のシングル“アルケミスト”は、感動というものにダイレクトな曲だったと思うんですが、今回の“新世界”は、衝動というものにダイレクトな曲だと思っていて。

「まさにそうですね」

■結成15年、デビュー10年の後って、もの凄く素直な曲が続いてますよね。これは、ひと区切りをつけた後っていう自分なりの気持ちなのか、今という時代に対してなのか、教えてください。

「一番大きいのは振り返ることができたからだと思いますね。俺、元々照れ屋ではあるから、真っ直ぐな表現は好きではあるけど、自分がやるならちょっと濁した表現が好きだったんですよ。でも改めて振り返ってみると、曲とか詩の中での本音ってどんなに隠そうとしても隠せてないんですよね。どんなに着飾っても人間がもの凄く表れる。そこに気づいて。なるほど、隠すことってそんなに意味ないんだなって思った。であれば、もちろん真っ直ぐな表現も好きなので、もっともっとそこを推し進めていくべきだなと思うようになったんです。10年やれたからこその自信というか、強みというか、そういうものが最近出てきましたね。あと同時に、誤解を招くかもしれないけど、諦めというかね。カッコつけてもしょうがないんだなっていう諦め。やっぱり人間の生き様が出るのが音楽であり、表現であるってことに気づいたから。自分の日々の生き方がカッコよければカッコよくなるし、カッコ悪ければカッコ悪いものができる。だからもう、カッコつけようとはしないというか。………でも、前も言ったかもしれないですけど、“赤橙”の歌詩を改めて読んだ時に、『あ、俺は本当に昔からこんなこと歌ってたんだな』って思って。あの時は今のような感覚も知識もまったくない、本当に感覚だけで言葉を書いていたのに、今と同じように黄金のメロディを探している少年の歌だったから。それで、俺は間違ってないんだなっていうことに気づきましたね」

■今話したことは歌詩がメインの内容だったけど、音楽的にもそれは際立っていて。“アルケミスト”でも感じたことなんですけど、バラードとアッパーソングの違いはあれど、どちらも曲調的に高揚感が溢れていて、上がり続けていく曲になっているんですよね。カーブがないというか直線的。

「そう言われてみればそうかもしれない………あんまりそこは意識はしてなかったです。まぁ思うがままなんですよね。実はこの曲、一番最初のイントロダクションからAメロまでは、デビューしてすぐのセカンドアルバムを作ってた頃に作ったものだったんですよ」

■え、そうなの?

(続きは本誌をチェック!)

text by 鹿野 淳

『MUSICA 1月号 Vol.69』のご購入はこちら

Posted on 2012.12.23 by MUSICA編集部

The Flickers、僕らは何故「永遠」を求めるのか

僕らは、精いっぱい今ここに存在している――
混沌の中で破壊と想像を繰り返し、
120%の刹那を繋げ、永遠に手を伸ばす。
愛おしきルーザー達による起死回生『Fl!ck EP』

『MUSICA 1月号 Vol.69』P98に掲載

■今回はある種、挑戦的な4曲で。“永遠”や“ルーザー”のような、歌詞も含めて安島くんの素というか、原点を感じさせるニューウェイヴから、ヘヴィでエッジが尖った“go go monster”のブレイクビーツまで、バラエティ豊かで。ただ、ここに至るまで相当苦労したと聞いたんですけど。

「そうですね。一度録る予定だった曲を保留にして、もう一回新しい曲に挑戦したりもして……というか、全部新しい曲にしたんですけど」

■1回ゼロに戻してもう一度作ったということ?

「はい。そういう意味では、いつも以上に苦労しました。よく喧嘩したり泣いたりしましたし(笑)」

■自分の中では、どんなところを目指して今回の作品を作っていったんですか?

「1作目が衝動で2作目が知性っていうテーマを持ってたんですけど、今回は情熱を表したい、素直な情熱を閉じ込めたいっていうのをテーマに作りました。あとは4曲の中でいろんな側面を――従来の自分達らしいところから新しい側面までを提示して、これからに繋げたいと思ってました」

■その情熱っていうのは強く表れてますね。リードトラックの“永遠”も、曲調的には淡々としたビートのニューウェイヴなんだけど、そこに強い昂揚感や焦燥感を加えることに成功してて。歌詞も黄昏れてるようでありながら、随所に<血に燃えるような 激情といく>という言葉だったり、強い意志を感じさせる言葉が歌われてるし。儚さを感じながらも、ただ儚いだけで終わらせないぞっていう意志が表れてますね。

「この歌詞はツアーの移動中に車の中で書いたんですけど、凄い素直に一瞬で書き上げた感じで。ベースの堀内くんが歌詞を読んで、『やっと素直になってきたか』って笑ってました(笑)」

■(笑)。

「自分でも確かに、自分が子供の頃から見てきたような景色というか、感じてきたことにやっと素直な気持ちで向き合えた、そういう詞だと思います。……これを書いた時、たぶんちょっと疲れてたんだと思うんですけど(笑)、目に映るものが眩しかったんですよ。愛しかったというか……当たり前の景色が凄く大事に思えたんですね。その時はあまり先のことを想像する余裕がなくて、目の前の景色をもう二度と見れないかもしれないみたいに思って。だから割と寂しい、切ない気持ちで書き始めたんですけど」

(続きは本誌をチェック!)

text by 有泉智子

『MUSICA 1月号 Vol.69』のご購入はこちら

Posted on 2012.12.22 by MUSICA編集部

the telephones、全方位で攻めたアグレッシヴな1年を振り返る

グッバイ&ハロー、ニューディスコ!!
2011年12月のさいたまスーパーアリーナ後、4人が乗り込んだ
新たなる銀河鉄道は何処へ向かったのか!? 2012年総振り返り!

■2012年最後の号ということで、この号では年間特集もやってるんですけど、今回リリースされるのは2011年の12月23日に開催されたさいたまスーパーアリーナのライヴDVDで………ちょっとだけ微妙な気持ちです。

4人「はははははははははははははは」
石毛輝(Vo&G&Syn)「2012年まで1週間ぐらい足りなかったですね(笑)」

■そうだよ!(笑)。ただ、あのライヴはテレフォンズにとってひとつの区切りとなるライヴであり、あのライヴを経たからこそ、秋のツアーで会場限定でリリースしたEP(『The Telephones In Wonderland E.P. ~不思議の国のテレフォンズ 短編集~』)での新たな挑戦に向かえたというのはあると思うんです。改めて振り返ると、あの日のライヴは自分達にとってどんなものだったと思いますか?

石毛「確かにキャリア総括だったでしょうね。DVDを見返すと、今やってるライヴのスタンスと全然違って、もう凄い昔のように感じてしまう(笑)。もちろんこの日も素晴らしかったけど、あれを経たことで、この1年で大きく成長できている実感が今あるんですよね」
長島涼平(B)「スーパーアリーナのライヴって、やるって決めてから、テレフォンズにおけるすべての物事をそこに当てるためにやっていった感じだったんですよ。アルバムのリリース時期も、ライヴの組み立て方も、全部そうで」

■うん、2011年は完全にそうだったよね。

長島「その成果を全部、あの日のライヴで出せたのはよかったなっていう。映像で観ても、みんな思ったより緊張してないなと思って」

■実感としてはもっとガチガチな感じだった?

長島「そんな気がしてたんですよね。でも、お客さんが凄く温かい感じだったから――」
石毛「あと1曲目で泣いちゃったからじゃない?」
長島「………それ映ってなかったから、言わなくてもいいかなと思ってたんだけど(笑)」
岡本伸明(Syn)「いやいや、そこは言っちゃったほうがいいって!」
長島「……俺、1曲目の“Monkey Discooooooo”でもう泣いてるんですよ。自分達のライヴでこういう光景を見れる人ってどれだけいるのかなって思ったら、なんか感極まっちゃって。髪で隠れて映ってないんだけど」
ノブ「映像修正しましょう!」
石毛「でもさ、全然気づかなかったよね」
松本誠治(Dr)「全っ然わかんなかった(笑)」
長島「1曲目だし、泣いた素振りを見せようとしちゃダメだなと思って。その後も、曲の各ブロックごとに泣いてるんですよね」

■泣き過ぎ(笑)。

(続きは本誌をチェック!)

text by 有泉智子

『MUSICA 1月号 Vol.69』のご購入はこちら

Posted on 2012.12.22 by MUSICA編集部

高橋 優、稀代のシンガーソングライターの原点回帰

裸一環、髭をたずさえ地元秋田へ凱旋。
そのツアー終盤戦&大打ち上げに生潜入!
原点回帰か? はたまた一大変革か?
最高傑作『僕らの平成ロックンロール②』で
快心の一手を投じた高橋 優に、清き一票を!

 

 今回は高橋 優の故郷である秋田でのライヴに密着した。ここには大きな意味がある。
 それは12月26日にドロップされるミニアルバム『僕らの平成ロックンロール②』が、高橋ならではの原点回帰作にして、彼の新しい軸となるべく作品であり、さらに最高傑作となったからだ。
 高橋とMUSICAが初めて出逢ったのはまだ彼がインディーズだった09年の夏、作品は『僕らの平成ロックンロール』だった。だからこそ、その②が生まれる今、高橋のコアの地にどうしても触れたかったのだ。そしてその地で、彼の言葉をたくさん手繰り寄せたかったのだ。
 今回はインタヴュー中心の密着記事、どうか楽しんでください。では11月28日、秋田市文化会館へ行きます。

 朝の10時、羽田から秋田行きの飛行機に乗る直前に、高橋 優と会う。
「なんか楽そうになったね」と言ったら、「ははははは、髭まで生やさなくてもって感じですよね。起きたまんまにしか見えないですもんね。これはね、賛否両論です、スタッフはみんな面白がってますけど」と言いながら軽快に乗り込む姿が、随分と今までと変わったなと思う。
 秋田空港に着いたら、気温2度。いやほんと刺さるように寒い。そのまま会場へ車で向かうが、まずはその車中でインタヴューをした。

■秋田にはいつまでいたの?

「高校までいて、大学で札幌に離れたんですよ」

■上(北)へ行ったんだね。下(首都圏)へ行かずに札幌へ行ったのって、何か理由があるの?

「一番の理由は、みんな南下しようとするから北へと(笑)。東京とか関西に行きたがるんですよね、これ以上雪の降る寒い場所にいたくないって。だから僕は東京に行く気がまったくなかったんです」

■それは17、8歳にありがちな、「本当は行きたいけど、周りが行ってるから意地でも俺は行かねえ」って感覚?

「いや、本当に行きたくなかったんですよ。1回、高校の時にひとりで東京に行ったんです。その時に、モノはたくさんあって楽しそうではあったけど、住みたいとは思わなくて。肩がぶつかって睨まれたこともあったし。なんで肩がぶつかるかって、道が狭いからじゃないですか? 秋田は、人もいなければ道も広いんですよ(笑)」

(続きは本誌をチェック!)

text by 鹿野 淳

『MUSICA 1月号 Vol.69』のご購入はこちら

Posted on 2012.12.22 by MUSICA編集部

NICO Touches the Walls、さらなる快進撃を打つ!

「この不思議な感じって、実はNICOを結成した当初の感覚なんですよ」
―『HUMANIA』以降の、新たな挑戦。
果敢なる制作タームの最中、
無意識の果てに紡ぎ出された美しきメロディ。
新曲“夢1号”、懐かしくも新しいNICO節が響く

『MUSICA 1月号 Vol.69』P94に掲載

■ここ最近、シングルというと、ポップサイドにせよロックサイドにせよ、カキーンと行くような即効性の強い曲が多かったんですけど、今回はしっとりとした、スルメな楽曲で。

光村龍哉(Vo&G)「え、そうですか!?」

■自分達では違う印象?

光村「曲調の仕上がりとしてはそう言われるのもわかるんですけど、俺らとしては完全にカキーンっていう手応えだった(笑)」
坂倉心悟(B)「掴みはOK!なつもり(笑)」
光村「満場一致で『これがシングルだね』っていう、決定的な感じがあったんですよ。でも確かに、比較的エネルギッシュな曲がシングルになることが多かったし、お客さんの中にそういうイメージが芽生えてるであろう中では、ガラリと雰囲気が変わったような気もしますけど」
対馬祥太郎(Dr)「今までになかったタイプの曲だしね、シングルとしては」
光村「歌い方もちょっと洋楽っぽいというか、今までと違ってほんとに囁くように優しく歌ってる曲だから、俺の中ではバンドとしてどうなんだろうっていうツッコミどころはいっぱいあって。でも、これが自然とみんなに受け入れてもらえたっていうのは嬉しかった。みんなもこういう雰囲気のものを待ってた感じもあったんだろうなって思ったし。で、この不思議な感じって、実はNICOを結成した当初、それこそ“エトランジェ”や“葵”を作ってた時の感覚なんですよ」

■本当にそうだよね。NICOって初期の頃から“そのTAXI, 160km/h”みたいな激しめの曲と、しっとりと聴かせるメランコリックな曲が2軸としてあったわけですけど、そのもう一方の軸が久しぶりに全開になった感じだよね。

光村「そうそう、そうなんですよ。当時しきりに『NICO Touches the Wallsって俺らの中ではこういう雰囲気なんです』って言い続けてたところに、久しぶりに近い曲。周りの印象をよそに『これがNICOらしい曲』って言える久しぶりの曲というか(笑)。ひたすらアンニュイサイドですからね。最近はアンニュイサイドの曲なかったよね」

(続きは本誌をチェック!)

text by 有泉智子

『MUSICA 1月号 Vol.69』のご購入はこちら

Posted on 2012.12.21 by MUSICA編集部

[Champagne]、さらなる覚醒を果たし、新章突入!

新章突入を祝砲と共に告げる
圧倒的キラーチューン“starrrrrrr”誕生!
この魂揺さぶる大名曲に
2013年、[Champagne]の大いなる飛躍を誓う

『MUSICA 1月号 Vol.69』P76に掲載

■とにもかくにも、“starrrrrrr”! 本当に、素晴らしいキラーチューンが誕生しましたね。聴いた瞬間に思わず立ち上がって叫んだよ!

全員「(笑)ありがとうございます!」

■[Champagne]が次のステージに進むために不可欠なアンセムが、最高の形と最高のタイミングで生まれたと思います。何故“starrrrrrr”を生み出せたのか、それをここに至る道程を振り返りながら訊いていこうと思います。まずは、自分達ではこの曲をどういうふうに捉えていますか?

川上「今の[Champagne]が一番欲しかった曲ができたなっていう感じですね。この夏は結構(フェスで出演する)ステージも上がったので、去年は5000人だったところが1万人、2万人みたいな、音鳴らしてから最後方の人に届くまで時間がかかるような規模になってきて。そういう中で回ってきた時に、夏の終わり頃から、ライヴハウスでやってるような曲じゃなく、もっと広がるというか、遠くまで届く曲が欲しいなって思うようになったんですよね。来年もっとデカいステージに立ちたい、トリをやりたいって思った時に、もっと届く曲が欲しいと思った。そうしたらこの曲ができて」

■時期的には、いつできた曲なの?

川上「8月の終わりぐらいですね」

■みんなは、“starrrrrrr”は自分達にとってどんな曲だと思います?

白井「キラーチューンって凄い合ってるような感じがしてて。まさにって感じです。大きい会場でやっても映える曲だし、ノリやメロディも凄いキャッチーだし。今までやってきたものとはだいぶ違った毛色だったりもするんですが、らしさは全然損なわれてなくて。もう1個上に立つバンドとしては武器となる曲だと思います」
磯部「作るスタンスとしては今までの曲とあんまり変わってないんですけど、より間口を広げようっていうか、より大合唱が起きるようなニュアンスを前面に出そうっていうのは、最初の段階から強く意識した曲ではあったと思いますね。聴いてノレるだけじゃなくて、歌いたくなるような感じというか……そういうものをより前に出したいっていうのはありました」

■聡泰くんはどう?

庄村「俺は今回、芸術性とわかりやすさを高いレヴェルで共存させることができてるんじゃないかと思っていて。音楽的な知識があまりない方でもいい曲だって思ってもらえる仕上がりであると同時に、コアな音楽好きが聴いても唸ってくれるものができたんじゃないかと。もちろん今までもそういうつもりではやってたんですけど、今回はグッと、両方が高次元で上手く溶け合ったなと思いました」

(続きは本誌をチェック!)

text by 有泉智子

『MUSICA 1月号 Vol.69』のご購入はこちら

 

Posted on 2012.12.20 by MUSICA編集部

andymori、“マイムマイム”ツアー東京SHIBUYA-AX公演密着

小山田壮平は、andymoriは、
今何を思い、ステージで何を鳴らしたのか。
騒動後、初のツアーに独占密着。
その意志も、その覚悟も、
そして失いかけた信頼も、
すべてを音楽に懸け、音楽で示す――

『MUSICA 1月号 Vol.69』P72に掲載

 2012年11月27日(火)、渋谷AX。andymoriの対バンツアー「マイムマイムツアー」3本目となる東京公演に密着した。
 11月1日。ネットのニュースサイトを皮切りに、壮平が脱法ハーブを吸引してホテルのロビーで起き上がれなくなり、駆けつけた救急隊に動揺して暴れ、病院に救急搬送されたことが報じられた。ご存知の通り、この件は地上波のニュース番組やスポーツ紙等でも報道され、SNS上には様々な反応が飛び交い、社会的に大きな波紋を広げた。なお、壮平が吸引したハーブから違法薬物は検出されておらず、この件に関して刑事処分が課されることはない。andymoriのオフィシャルサイトには一連の経緯/事情と壮平の謝罪が掲載された。
 ネットやSNSの書き込みでは、強い非難や憤り、失望を表明するものから、壮平を心配するもの、あるいは「それでも壮平やandymoriを好きだし、信じてる」というものなど、様々な声が上がっていた。今後の活動がどうなるのか? 目の前に迫っているツアーは行われるのか?等々を案じる声もあった。もちろん、脱法ハーブの危険性や深刻な社会問題となっている現状を考えれば、違法行為でなくとも活動自粛という形で反省の意を示すべきだとの意見もあった。しかし、アンディは予定通りツアーを行う決断をした。それは別に「合法なんだからいいでしょ?」ということではない。反省と謝罪の意も今後への決意も、何より壮平自身が音楽とどう向き合い、何を歌ってきたか/歌っていくかという姿勢や意志も、すべてはその「音楽」で示すしかないと判断したからだ。
 騒動後、壮平に会うのは、この日が初めてだった。「心配をかけてしまって、本当にごめん」と言う彼に、当時の心境を訊く。

 (続きは本誌をチェック!)

text by 有泉智子

『MUSICA 1月号 Vol.69』のご購入はこちら