Posted on 2012.05.31 by MUSICA編集部

オワリカラ、圧巻の覚醒を刻む

『2012年6月号 Vol.62』 P97に掲載

ひとつのことを信じていくことは、闘いなんですよ。絶対に苦しいんです。そういう何かを信じていく時の陰、苦痛はちゃんと表現したかった。それがなくちゃ絵空事に過ぎないから

■本っ当に、素晴らしいアルバムだと思います。

「ありがとうございます!」

■ヒョウリくんのコメントに「これがオワリカラの解答編です」って書いてありますけど、このアルバムは、このバンドにとってひとつ大きな転換点になる作品だと思っていて。

「そうですね。自分ではここまでの集大成って言ってるんですけど、オワリカラなりに進んできたところにある『コミュニケーション』がテーマになったらいいなと思って作り始めたんですね。“Q&A”っていう曲が入ってるんですけど、その曲ができた時に、これを軸にアルバムにしたい、こういう感じのムードのアルバムにしたいなって凄く思って。この曲は、自分の意識も及ばないような精神の深層の部分というか、潜在意識みたいなところからフワッと上がってくるものを上手く掴まえられた曲で。自分の的を射てるものが、ふっとできたというか」

■つまり、自分が潜在的に次にめざしたいと感じていたこと、表現したいことの核がふっと形になった感じだったんだ?

「そうですね。そういう感覚が凄いあって。で、この曲を軸にしたいなと思った時に、いろんな形のコミュニケーションというのが今ならテーマにできるんじゃないかなっていうのは凄い思いましたね」……(つづきは本誌をチェック!)

Text by 有泉智子

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Posted on 2012.05.30 by MUSICA編集部

NICO Touches the Walls、より高い頂への門出を祝う

『2012年6月号 Vol.62』 P128に掲載

新しい扉を開けた実感はあるんですけど、不思議と、
こういうアレジンであったり、こういうメロディラインを
俺自身がずっと待ってた感じもあったんですよね

■『HUMANIA』で一周した後の、新しい始まりを明確に表すシングルだと思います。どういうシングルになったと思いますか?

光村龍哉(Vo&G)「自分達としては『HUMANIA』を作った後はもう『やり切ったな!』っていう感覚が激しくあって。『もうしばらく何も出ないな』っていう感じだったんですよ」

■自分の中にある音楽の種は出し尽くしちゃった、みたいな?

光村「そうですね。そこまでの達成感を憶えたのは『HUMANIA』が初めてだったんですけど。だから、これはきっと4人ともそうだと思うけど、充電期間が欲しいっていう感じになってたんですよね。『PASSENGER』からずっと繋がりで走ってきた分、インプットする時間が必要だっていうのは凄く感じてて。で、もう半年曲は書かないぞって決めてたんですよ」

■そうなんだ。それくらい、自分の中でまたテーマを温めたかったっていうこと?

光村「というよりも、自分のやり方から何から何までトリートメントし終わった後に、また曲を書こうって思ってて。それをやるには大体半年くらいかかるだろうなっていう計算だったんです。だからとにかく、アルバム作り終わって、リリースされて、『オリコン10位だ!』っていうところで凄くホッとしてたんですけど……でも、思ったより早く曲のオファーが来てしまって」……(つづきは本誌をチェック!)

Text by 有泉智子

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Posted on 2012.05.21 by MUSICA編集部

THA BLUE HERB、今歌われるべき闘争の歌

『2012年6月号 Vol.62』 P90に掲載

痛みを提示しなくても、国民全員が深い傷を負ったっていうのが前提としてある以上、改めて傷つける必要はない。むしろ、今回の作品は、傷を負った状態からどう出発するかっていうところから始まってる表現だから

■遂にTHA BLUE HERBの第4段階が始動し、3月にシングル『STILL RAINING, STILL WINNING / HEADS UP』が、そして間髪入れず5月9日にはアルバム『TOTAL』が届きました。まず、今回の始動にあたって思ったのは、THA BLUE HERBのフェーズ4が2012年というタイミングでスタートするっていうのは――運命っていう言葉はあんまり好きじゃないんですけど、とても因果なものだなぁってことで。

「うん、そうかもしれないね」

■THA BLUE HERBは、そもそもは自分達以外はすべて敵と言っても過言ではないような、アンダーグラウンドの反骨と闘争の表現から始まった音楽だったわけですが、そこに共鳴し共闘するリスナーが生まれ、その輪が少しずつ広がっていき、自分達もその実感を得ていく中で、前回のフェーズ3では非常にポジティヴな、かつてなく外に対して開かれた陽性の意志をもった作品を出すに至って。それは、最終的に集大成として出されたDVD『PHASE 3.9』が、初期THA BLUE HERBからは考えられないような、ピースフルな雰囲気を持っていたことに象徴されていたと思うんですけど。

「そうだね……まず俺の感覚では、初期の頃の俺は、闘う場所に身を投じることによって自分達の中の強さを研ぎ澄ませていったところが間違いなくあった。でも、そもそも俺っていう人間は、強さ一辺倒の人間だったわけじゃないんだよ。ただ、当時は自分の場所を手に入れるために、つまり闘うために、強くなる必要があった。でもそれが、3枚のアルバムを出して、札幌から全国へと出ていって、ライヴでいろんな人と知り合い、理解や仲間が増えていく過程で、肯定してくれる人に対して無闇にかみつくことは無益だし、いろんな夜を経て、少しずつ本来の自分に戻っていったという感覚が強くあって。」……(つづきは本誌をチェック!)

Text by 有泉智子

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Posted on 2012.05.18 by MUSICA編集部

SEKAI NO OWARI、そのポップマジックの本質に改めて迫る

『2012年6月号 Vol.62』 P68に掲載

本当に自分に何もないと思ってた時は、別に生きたいなんて思ってなかった。
だけど夢を見つけて音楽をやって、いざ仲間ができてくると、
死にたくない!って凄く思うようになったんです

■久々のシングルなんですけど、“眠り姫”という曲はもの凄く長い間煮詰めていって、やっと出せた曲だと思うし、2曲目の“生物学的幻想曲”も含めて、僕の中では非常に大作的なSEKAI NO OWARIの曲が出てきたなぁというふうに思ってるんですけど。まずは“眠り姫”がシングルになった経緯から教えてもらえますか?

深瀬 慧(Vo&G)「そうですね、前からここぞという時に出すつもりで作ってたんですけど、『このタイミングじゃないだろう』っていうことでただ延びに延びたっていう――」

■震災後の雰囲気の中で出すような曲でもないし、初の武道館ライヴへの景気づけや狼煙上げのような曲でもないし?

深瀬「まさにそうですね。ずっとスタンバってはいたんですけどね、“眠り姫”は」

■そうやって、結果的に長い間の中で何回かデモ的なものを聴かせてもらってたんですけど、煮詰めただけあって非常に花が開いたアレンジにもなったと思うし、今出せてよかったんじゃないかという気もするんだけど。

深瀬「そうですね、それはよかったと思います。テーマも大きかったので、自分達のアレンジ能力だったり、自分達がどうなっていこうっていうのも含めて、“眠り姫”は結構大きい敵でしたね。仲間にするのが大変だった歌、というか(笑)。“天使と悪魔”とか“ファンタジー”の時の自分達ではコントロールできる曲ではなかったので、どんどんアレンジの技術やいろんな自信が上がっていって、やっと納得のいくアレンジになったなという感じですね」……(つづきは本誌をチェック!)

Text by 鹿野 淳

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Posted on 2012.05.17 by MUSICA編集部

エレファントカシマシ、魂の名作『MASTERPIECE』を語る

『2012年6月号 Vol.62』 P60に掲載

俺、聴いてくれるみんなの顔が浮かんだのは久しぶりですよ。
「みんなの大好きなミヤジの歌声がここにあるぜ! よかったな!!」って。
「思ってる以上の何かを見せてくれる、あのミヤジがここにいるぜ!」ってさ

■まさに名が体を表すという、ほんとに素晴らしいアルバムになりまして――。

「ありがとうございます!!!」

■こうして聴けたことも、このアルバムのレコーディングに立ち会わせていただいたことも含めて、非常に幸運かつ有り難いと思ってるんですけど。

「あぁ……面白かったですね、あれねぇ!(笑)。おかげさまでいいレコーディングになりました」

■とんでもない。この『MASTERPIECE』というタイトルは、一番最後に作った“七色の虹の橋”という曲の一節から取られたんですか?

「いや、違うんですよ。『MASTERPIECE』っていうタイトルにしようということまでは、だいぶ前にみんなと話して決めてたんですね。他にも『ホームラン王』と『バビロニア大学』と、この『MASTERPIECE』と、3つ候補があって。<傑作>っていう意味合いもあって、みんなは一発で『MASTERPIECE』がいいって言ってくれたんですけど、自分の中でなんかしっくりこなかったんですよ」

■いや、さすがにバビロニア大学ではまずいとみんな思ったんじゃないかと。

「そうだったみたいですね(笑)。それで、鹿野さんが来たレコーディングの翌日か翌々日に、1日時間がある日があって、歌詞を考えてたんですね。その時に昔、古本屋さんで彼女と待ち合わせて、未来を透視してた俺がいて……みたいなことを思い出して。その中で<誰の人生だってマスターピースさ>っていう言葉が甦って出てきて、ようやく意味が自分でわかったんですよ。このアルバムは自分の人生観とかが11曲入ってるんですけど、<誰の人生だってMasterpieceさ>っていうので、みんなの(人生も)マスターピースっていうところにスパッといけたんですね。それが凄い嬉しかったです」……(つづきは本誌をチェック!)

Text by 鹿野 淳

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Posted on 2012.05.16 by MUSICA編集部

米津玄師、彼こそが新たな「時代の歌」だ!

『2012年6月号 Vol.62』 P23・P24に掲載

美しく整えられた利便的な世界の中で、それでも圧倒的に満たされない何か。
希薄化する関係性と、置き去りにされた心。
所在なき僕らの心の在り処、生の在り処を求めて鳴らされた、
最もリアルで、最も孤独で、最も醒めた、最後の希望――

■初めまして、今日はよろしくお願いします。

「よろしくお願いします。……こういうインタヴューってほぼ初めてなので、上手く話せるかどうかわからないですけど……(笑)」

■『diorama』というファーストアルバムが、5月16日に出ます。このアルバムは、いつの間にか心が置き去りにされてしまった世界の中で、その置き去りにされた心の在り処を取り戻し、本当の意味で自分が生きる場所を創り出そうとするような、そういう作品だと感じたんですけど。まず、ご自分にとってはこのアルバムはどういう作品なのか?というところから伺えますか?

「どういう作品なんですかね……今まで何年か音楽を作ってきましたけど、まずは、それを全部おさらいしてみようかなっていう思いが強くて。僕はずっとVOCALOIDの音楽を作っていて、自分で歌ってはこなかったわけですけど、元はといえば自分が歌いたいがために音楽を志した人間なんで。だからVOCALOIDやってた時も、ゆくゆくは自分で歌いたいなと思ってたんです。で、そろそろVOCALOIDで音楽を作るのに飽きてきたというか、面白くねえなと思い始めた頃に、じゃあ自分で歌うものを作ろうって考えて、作り始めて……」

■2010年の冬から、このアルバムの制作に入ったと聞いてるんですけど。

「そうですね。自分が歌うっていうことと、それまでVOCALOIDでやってきたことを踏まえた上で、じゃあ自分は一体何が作れるんだろう?って考えて、できたのがこのアルバムです」……(つづきは本誌をチェック!)

Text by 有泉智子

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Posted on 2012.05.15 by MUSICA編集部

Mr.Children、「POPSAURUS 2012」埼玉・西武ドーム公演、速報レポート!!

『2012年6月号 Vol.62』 P46に掲載

モンスターバンドとしての20年。
POPSAURUSとしての10年。
西武ドーム、ツアー速報レポートと共に、今一度ミスチル論を語ろう

4月21日(土)西武ドーム ライヴレポート

昔からの、少なくとも2000年辺りからMr.Childrenのファンで居続けている人にとって、POPSAURUSというツアー名は特別な響きを持っている。
彼らは2001年にその名前でツアーをやっている。それもまた今回と同じく2枚にわたる、そして10年間を総括するベストアルバムを出したタイミングでのツアーだった。つまり今回のツアーは2001年のそれを踏襲した、10年に一度の集大成ツアーである。帰り道の電車の中でカップルが、「こうなったら2022年まで待って次のPOPSAURUSに行かないとね! ミスチルがまだやってるかわからないし、それ以上に私たちが別れてないかどうか、もっとわからないけど」と素敵な会話をしていたが、実際に彼らの20年間を心の底から体感出来る、とても感慨深いライヴとなった。

ドームスタジアム、しかも完全密閉ドームではなく隙間が空いている西武ドームでのライヴなので、外で漏れ音を聴いている人も多い中、サウンドもビジョンも圧倒的なスケールを誇るライヴは始まった。……(つづきは本誌をチェック!)

Text by 鹿野 淳

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Posted on 2012.05.14 by MUSICA編集部

ONE OK ROCK、さらなる飛翔へ宣戦布告

『2012年6月号 Vol.62』 P52に掲載

あの当時は自分のことを嫌いな人ばかりだと思ってた。
だからこそ、そこに媚びたくなかった。
でも今は正直、誰も中指を立てる相手がいないんですよね

■まずはDVDが出ます。そして、実は1曲、まだ完パケしてないと思うんですけど、未発表曲を――。

「あ、聴きました?」

■聴いた。その曲についても語っていきたいんですけど、まずは『残響リファレンス』を作った直後は非常に不安がっていたけど、あの作品は世の中に歓迎されたと思います。その時に抱いた気持ちから教えてください。

「リリースしてすぐにツアーの準備に入ったので実感も湧かなくて。あのアルバムを整理できたのは、つい最近ですね。最近、いろんなことが自分の中でちょっと変わってきたなっていうのがあって。普通に生活は楽しいんですけど、同時になんかちょっと変な違和感もあるんです。今まで凄くハングリーにやってきたと思うんですけど、自分達を知ってる人がいるってこと。それこそ横浜アリーナに立った時はあの人数が自分達のことを知って、あの会場に来てるっていうことが信じられなくて。で、実際、街に遊びに行ったり、友達と飲みに行ったりした時に、今までと違う感じを受けるんですよね。それだけONE OK ROCKが知られてきたっていうことだと思うんですけど。オフの時の自分はもう完全に違うんで、そこに違和感を覚える瞬間がある」……(つづきは本誌をチェック!)

Text by 鹿野 淳

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Posted on 2012.05.13 by MUSICA編集部

flumpool、ツアー『Because... I am』密着&山村隆太インタヴュー ~vol.2

『2012年6月号 Vol.62』 P39に掲載

J-POPっていうものを変えたい。
今のJ-POPは、いろいろな人達の上辺だけしか掬っていない感じがするんです。そうじゃなくて、心の底の底にある孤独だったり悲しみだったりを掬い出すことができる音楽をやりたい。そこでちゃんと大衆性を掴みたいというか……大衆を先導したいんです

INTERVIEW-1
4月13日(金)、静岡公演翌日
静岡市内、宿泊ホテルのロビーにて

■まずは昨日のライヴの感想を教えてください。

「やっと、鹿野さんにいいライヴをちょっとは見せられたかなと思いますけどね。初日、2日目が自分達の中で課題が多かったライヴで……失敗したなって思ったのは、リハーサルの空気をそのまま持っていっちゃってた気がするんですよ。今回は『Because... I am』ってことで、一人ひとりを磨くっていうこともあってリハでガッチリやって、それはそれでよかったんです。だけどリハは練習だから、ライヴでそのままやればいいんじゃなくて、完全に逆の方向に走らなくちゃいけなくて」

■キックオフの後、四国を2ヵ所回って、今回5回目でしょ? その間でどうやって立て直したの?

「気持ちの持ちようですね。だから、丁寧にやろうとかっていうのは考えなかったです。もちろん歌はちゃんと伝わるように、言葉にしてもピッチにしても最低限はちゃんとしなきゃいけないですよね。でもそれはリハでやったことまでしかできないので……そこからプラスで何ができるかっていう。それは足し算ではなくて、掛け算になっていくような気がするんです。リハでやったことに対しての掛け算になっていると思っていて……掛ける1だったのが初日と2日目で。徳島と香川は……昨日もそうですけど、気持ちが先走って、凄く雑にしちゃったところもあるし」……(つづきは本誌をチェック!)

Text by 鹿野 淳

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Posted on 2012.05.12 by MUSICA編集部

flumpool、ツアー『Because... I am』密着&山村隆太インタヴュー ~vol.1

『2012年6月号 Vol.62』 P32に掲載

ポップスは危険水域にある音楽を救えるのか?
バンドは世に放たれるべき音楽を掬えるのか?
誰もが知るバンドとなり、確固たる役割が求められるようになったflumpoolがその落とし前をつけるべく動き続けるロングツアー『Because... I am』に、楽屋の裏まで密着。

4月12日・静岡市民文化会館 ライヴ密着レポート

12時30分に静岡市民文化会館に入る。
楽屋にはまだ隆太しか入っていないという。ならばと彼の「ヴォーカルルーム」のドアを叩き入ろうとすると、中は暗く誰もいない――ように見えたがいた。暗い部屋の窓際で、独りぽつんと座り、その目の前には弁当が置いてある。寂しさ極まりない状態に見えるが、しかし調子はいいようで、「今日『は』楽しみにしててください」と笑いながら隆太は言った。前号で掲載した、ゲネプロとツアー初日の彼らなりの反省と後悔に対しての「今日『は』」であることは間違いない。

その後、東京より早く散りつつあるホール前の公園の桜を堪能した後にホールへ戻ると、誠司、一生、元気の3人も楽屋入りしていた。一生が「相当調子よくなってきましたよ。ツアーらしくもなってきたし」と、自分から言いに来る。

その後、一人静かにドラムパッドを叩いている誠司と、「酒とタバコと男」というテーマで話をする。要は、アーティストはその酒やタバコが似合うべきだし、女性アーティストも男性が似合う人がカッコいいし、また、そういう才気を放つ人がアーティストになるんだという話である。……(つづきは本誌をチェック!)

Text by 鹿野 淳

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