Posted on 2012.10.13 by MUSICA編集部

凛として時雨、2年ぶりの新作『abnormalize』リリース!時雨の現在地を、TKがすべて語る

『still a Sigure virgin?』の成功以降、
静と動が織りなした数々のツアー、
そして因果に導かれて作られた2枚のTKソロ作品。
凛として時雨、久々の新作『abnormalize』リリースを前に、
変幻自在だった2年間のすべてをTKがディープに振り返る、
初の表紙巻頭大特集!

『MUSICA 11月号 Vol.67』P14に掲載

■新曲“abnormalize”は、構造的に非常に時雨的なる楽曲でありながら、同時に多面的に新しい世界観が開けている曲だとも感じていて。ここに至るまで――特にTKとしてソロを2作品出したことも重要なファクターとなった上でここに至っていると思うので、すべてを辿りながら今回のシングルを解き明かしていきたいと思います。というわけで、長いっすよ今日は(笑)。

「はい(笑)。辿れるといいですね、僕自身も自分のことをいろいろと。よろしくお願いします」

■まずは2010年のアルバム『still a Sigure virgin?』以降の話から。これはチャートの1位にもなりましたし、凛として時雨にとって、ステージが変わったり得るものがあった作品だと思うんです。今改めてあのアルバムを振り返ると、どういうアルバムだったと感じますか?

「作品としてはちょうど2年前ですけど、2年経ってることを今も感じないというか。割と今の感覚で聴ける作品っていうのが、あの作品に関しては凄く強くて。たとえば『♯4』だったり『Feeling your UFO』だったりは、やっぱり過去の自分っていう感じで聴くんですけど、『still a Sigure virgin?』は今も主観的に聴いてしまうというか。それは、たぶんあの作品の中にソロに繋がる要素があったというのも大きいと思うんです。もはやあの頃の時雨の枠を越えているものもありましたしね。そういう意味では自分の中で古くなっていない分、『still a Sigure virgin?』を聴くと、逆に次の作品を出す時に自分がどう新しい時雨というものを見せられるかっていうのは凄く考えますね」

■『still a Sigure virgin?』は変化作でもあったと思うし、タイトルからもわかる通り、世の中に対して凛として時雨を今まで以上に明快に届けるっていう気持ちもあった作品だと思うんです。実際にそれが世の中に受け入れられたっていうところで、自分の中で得られたものと、困ったり失ったものはどういったものですか?

「どちらかというと僕は自分の作品に対して、世に出すまでのプロセスが凄くストイック……自分でストイックって言うのもなんですけど(笑)。やっぱり制作に関してはかなり詰めるんですね。本当に何通りも何十通りも何百通りも、AメロだったりBメロだったり作り替えたりしながら構築して録って、それがアルバムになっていくんで。これをライヴでやったらどうだろうとか、いろんなことを考えながらやってるんですけど。いざアウトプットされた時に、割とその糸が切れてしまうというか、それがどう思われたのか?はそんなに気にならないんです。もちろん1位を取れたのは凄く嬉しいことだったんですけど、自分にもたらす影響はそんなになかったというか。両親にいい報告をできたぐらいの感じ(笑)」

(続きは本誌をチェック!)

text by 有泉智子

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