Posted on 2012.11.17 by MUSICA編集部

エレファントカシマシ、偽りない胸の内を曝け出す

孤高の強さ、孤独の哀しみ、
10月14日野音以降の想い、そして24年間
歌い続けた誇り――
その胸中をすべて語る

『MUSICA 12月号 Vol.68』P56に掲載

■今日は10月23日です。野音も終わって――。

「あれからちょうど10日くらいかぁ……」

■そう。気持ち的には落ち着いてきましたか?

「そうですね。野音はねぇ、凄く嬉しかったんですよ、自分が歌えるっていうのが。ちょうど退院して1カ月くらいだったんですけど、最初はもう…………やっぱり混乱するじゃないですか。自分が健康だっていう自信を持っていれば持っているほど、入院したりとか、耳が聞こえにくくなったりっていう状況に混乱しちゃって。その中で、1回コンサートを中止にすると言いながらも、やっぱり歌いたいっていう気持ちが出てきて……でも、俺がそんなこと言ってやったとしても、みんな来てくれないんじゃないかってことも、冗談じゃなく本当に思ったりしましたし」

■うん。

「そういうことをいろいろ考えながらも、ひとりで弾き語りで練習してたんですけど。でも(野音の)前々日の12日に、久しぶりにコンサートスタッフとか蔦谷さん、ヒラマさんと会って……新曲の練習を(リハーサルスタジオで)したんだけど、それが凄くいい雰囲気で楽しくて……だからまず、あの12日の日が本当に嬉しかった。で、14日に野音をやって、お客さんが本当にたくさん来てくれて。ステージに出ていった時に割れんばかりの拍手をもらっちゃって、ちょっと困っちゃうくらいで。『おい、今から歌うのにちょっとうるせぇぞ!』というか――」

■ははははは。

「いやいや、あの……本当に嬉しかったんです(笑)。いろんな思いをあの形にできたのは、凄くよかったですね。まぁ張り切り過ぎちゃったみたいで、この前また検査に行ったら、ちょっと悪くなっちゃってたんですけど……」

■やっぱりまだ大きい音の中で耳を使うと、影響が出ちゃうんですか?

「そうなんですよねぇ。だからね、検査なんてしないほうがいいんですよ!」

■いやいや、そんなことはないよ!

「ほら、検査する時って右も左もするんですよ。そうしたら記録上は右耳も難聴だっていうふうに出ちゃって。右耳はなんともないですよ? でも大きい音を聴いてると、小さい音が聴こえづらくなくなるじゃないですか。コンサートの後ってそうなんだけど、でも記録上は難聴だっていうふうになってしまうという………ただ実際、右耳もちょっと難聴なんですよ。それは経年劣化というか、ピート・タウンゼント(The Whoのギタリスト)とかもそうですけど、長年大きい音でバンドやってるとどうしても仕方ない部分はあって。まぁでも、右は大丈夫です」

(続きは本誌をチェック!)

text by 鹿野 淳

『MUSICA 12月号 Vol.68』のご購入はこちら