Posted on 2014.02.15 by MUSICA編集部

星野源、おかえりなさい!
再会と再開の武道館ライヴ速報ロングレポート

おかえりなさい!そしてあっぱれ!
星野源が、遂に武道館にその歌を響かせた!

『MUSICA 2月号 Vol.83』P.32より掲載

 

2014年2月6日、日本武道館。この日がやってくるのを、どれほど待ち望んだことだろう。

 19時06分、場内が暗転し、一斉に歓声と拍手が沸き上がる。ガーシュウィン(星野が好きなアメリカのポピュラー音楽&クラシック音楽の作曲家です)の“Rhapsody in Blue”の調べに乗って、星野源、登場。しかもスラリとしたミニスカ美人ナースふたりを両脇に従えて(笑)。実に星野らしい茶目っ気たっぷりの復活シーンに、会場がどっと沸く。ナースを侍らせたままの状態で星野が笑顔でピースサインを決めたその瞬間、観客から再び割れんばかりの拍手が鳴り響き、「おかえりー!」「源ちゃん待ってたよー!」という声があちこちから飛び交った。本来なら感極まる場面なんだろうけど、ステージ上では星野がミニスカの中身を覗き込もうと体を屈めてナースの後ろを追いかけていて、なんかもう、その様が嬉しくて愛おしくて声を上げて笑ってしまう。その間にバンドメンバーも位置につき、遂に1曲目が始まった。星野源の復活の幕を開ける1曲目となれば、やっぱりこの曲しかない。そう、“化物”だ。

 高野寛(G)、伊賀航(B)、伊藤大地(Dr)、野村卓史(ピアノ)、山田あずさ(マリンバ&パーカッション)という編成によるバンドサウンドが一斉に打ち鳴らされ、その躍動感溢れる軽快なリズムと華やかなサウンドに乗って星野の歌が大きく、伸びやかに響き渡った。背面のスクリーンに映し出された表情はやや緊張気味だったけど、堂々と、しなやかな強さを持って、その確かなる歌声が武道館いっぱいに響かせていく。そして、<思い描くものになりたいと願えば/地獄の底から次の僕が這い上がるぜ>という、このタイミングでこれ以上ない決めのフレーズを歌い切った直後、彼は会心の笑顔を見せて叫んだ。

「こんばんは! 星野源ですっ!!」

 ………やっぱり泣いてしまった。きっと多くの人がそうだったと思う。ただ元気になって生きてくれさえすればいいと思ったこともあった。でも星野は、ちゃんと音楽と共にステージに戻ってきた――。

(続きは本誌をチェック!

text by 有泉 智子

『MUSICA3月号 Vol.83』