VIVA LA ROCK、全40ページ大特集
ロックへの愛と歓喜に満ちた新たなロックフェスの全容をレポート!
The Documentary about the First Year of VIVA LA ROCK
決して順風満帆ではなかった、ビバラ開催までの1年間。
そして予想を遥かに超えた、歓喜の現実!
『MUSICA 6月号 Vol.86』P.30-69より掲載
そもそもは3年前から始まっていました。
このフェスは、イベントプロモーターのDISK GARAGEと我がMUSICAがリスクも成功も半々で負うというシンプルなものですが、それはDISK GARAGEの河津くんと僕のふたりで決めたことで、3年前に「まさに『ロックフェス』というものを一緒に新しく作れたらいいね」という話し合いから始まったものでした。
フェスというのは「場所」と「スケジュール」が一番大切です。このさいたまスーパーアリーナという最高の場所を得るまでに僕らは4ヵ所、フェスをやりたいと思える場所を具体的に見つけ、何度も話をしましたが、しょうがない理由やつまらない理由で実現に至りませんでした。その絶望を抱えながら今後へ向けたミーティングをしていた時に、今回のさいたまスーパーアリーナの話が出てきたのです。
さいたまスーパーアリーナでは「音蹴杯」という音楽業界限定のフットサル大会を1年に一度開催していて、それはDISK GARAGEとさいたまスーパーアリーナが共催しているものでした。僕も毎年その大会に出場するチームの一員として楽しんでいるのですが、そこで「何故、さいたまスーパーアリーナで本格的な音楽フェスをもっとやろうとしないのか?」という話が出たということを聞きました。
そこで、早速さいたまスーパーアリーナに「フェスをやるとなったらどう使うのか?」を見るための下見に行きました。実はその最初の下見の時に会場のほぼすべてのスペースをこう使いたいというイメージが湧き、その段階でいろいろな話をし、それが今回のフェスでほぼすべて実現しています。5階にBARを作るのも、けやきひろばを使うのもそう。この下見で僕らは大変盛り上がりました。さいたまスーパーアリーナも、積極的にフェス空間としてアリーナを面白がる人達を見つけたから、盛り上がったのでしょう。僕らは、ロックフェスの夢やイメージを落とす現実の場所を失いかけていたので、それが見つかったことにとても興奮しました。
しかし、さいたまスーパーアリーナはとても人気のあるアリーナです。基本的に、休日の空いているスケジュールがほとんどありません。
ちなみに、このフェスは、開催するスケジュールをゴールデンウィークにこだわりました。前述したようにフェスはスケジュールがとても大事だからです。僕はこの国の年間スケジュールの中で「夏休み」「年末年始休暇」に匹敵する唯一の時期が「ゴールデンウィーク」だと思っていました。ですが、夏にも年末年始にももう象徴的なフェスがあります。なので、このゴールデンウィークにロックフェスを開催することに徹底的にこだわりたかったのです。
(続きは本誌をチェック!)
text by 鹿野 淳
『MUSICA6月号 Vol.86』