Posted on 2018.03.21 by MUSICA編集部

2010年代のバンドシーンを一気に駆け上がり、
明日に向かって確かに地を蹴り走り続けるKANA-BOON。
初のB面集『KBB vol.1』全曲解説インタヴューにて
その歩みを、想いを、今一度すべて振り返る

当時は、いわゆる恋の歌とかに対して、あんまり大事にしようっていう
気持ちがなかった気がしてて。特にこの時期は、
ここからバンドが新たな始まりを迎えていく中で、
ちゃんとバンドを背負って歌っていかないとなっていう想いがあった

『MUSICA 4月号 Vol.132』より引用

 

1. スパイラル

―2015年『ダイバー』収録―

 

■このパワフルなガツンと来る曲調が始まりに相応しいんですが。作った時のことは覚えてますか。

谷口「覚えてます。セッションでガンガン曲を作っていってた時期にできて、後々『NARUTO』のゲーム(NARUTO-ナルト-疾風伝 ナルティメットストーム4)のタイアップの話をもらって、それに向けてまた詰め直していったんですけど」

古賀「ゲームのタイアップなんで、8ビット感みたいなのを凄い出したかったんですよね。イントロのリフレインとかも機械音を意識したりとかして、それが上手いこと僕の中では表現できたなって思います。ゲームのキャラクターの必殺技があるんですけど、その音みたいなのを間奏で使ってみたりとか。自分の想像したものを音にするっていうことを初めてできた曲ですね」

飯田「古賀のリフが先に結構決まってて、しかも印象深いヤツやったんで、それをなぞるのはダサくなっちゃうかなって思った記憶がある」

谷口「『ダイバー』の頃ってことは、精神的には結構いい状態やったよな?」

飯田「うん、レコーディング苦手ゾーンではなかった……はず(笑)」

谷口「“ダイバー”を『BORUTO -NARUTO THE MOVIE-』の映画主題歌として作って、さらにゲームの主題歌もやらせてもらえるってことで舞い上がってたんやと思う。そういうエネルギーも込みでバンドが回っていた時期やと思いますね」

飯田「うん、だからむしろやってやるぜゾーンだった気がする。スパッと録れて『やった! 疾走感も出たぜ!』ってなった記憶があるから、結構疾走感は出てると思います。この辺の時期からいいテイク録れるっていう楽しさみたいなのがあって、エンジニアさんが『いいテイクと悪いテイクはどういうことなのか?』を、ちゃんと弾ける/弾けへんってことではなく、テイクの空気感って意味で伝えてくれたんで、レコーディングはいいものを早く録れるっていう時期になってて」

■その前は悩んでたの?

飯田「その前は何を言われてるのかがよくわからなかったですね(笑)。今は『0.0何秒でこんだけ塗り替わるんだよ』っていう聴き比べもできるようになりましたけど」

小泉「僕もこの曲は手こずった覚えはないですね。割と勢いでいけた感じ。始めのフレーズが躓いた記憶はあるんですけど、割とセッションの勢いの中で、キメをちゃんと決められたなっていう覚えがある」

古賀「2サビのバチのカン!っていう音、何回も録り直したよな」

小泉「よう覚えてるな(笑)」

古賀「覚えてるって!(笑)」

(続きは本誌をチェック!)

text by有泉智子

『MUSICA4月号 Vol.132』