Posted on 2018.03.20 by MUSICA編集部

SHISHAMO、2018年一発目のシングル『水色の日々』。
急成長を遂げている今、小林武史と組んだ理由から
紅白以降の意識変化、念願の出来事までを宮崎朝子が語る

バンドとしての見られ方だったり、今まで凄く慎重に
やってきたじゃないですか。ここまで来たらそんなしょうもないこと
気にしてる場合じゃないなって。そんなことよりもっとやるべきことがある、
もっと広い目で大きくならないとダメだなって

『MUSICA 4月号 Vol.132』より引用

 

■今回の“水色の日々”は、SHISHAMO初のプロデューサーとして小林武史を招きました。宮崎が作る曲が、あんなにも小林武史とハモるとは想像もしてなかった。正直、びっくりしました。

「(笑)あ、そうですか?」

■この曲は小林さんとやる体で作った曲なのか、もしくはそれとも紆余曲折があってこうなったのか、その辺から聞かせてもらえますか? 

「小林さんとやるってことと曲が生まれたのは別ですね。“水色の日々”はカルピスウォーターのCMの曲なんですけど、そもそもは曲自体は本当に、カルピスのために曲を書こうっていうことだけで書いている曲なんです。で、その上で、小林さんと一緒にやることにしたっていう。今までは自分達だけで音楽を作ってきたんですけど、やっぱりずっと、自分以外の誰かのクリエイティヴが入った音楽にも凄く興味があって。正直、絶対に自分達だけでやるんだ!みたいなこだわりは、凄いあるっていうほうではないというか、一番大事なのはいい曲を作るってところだけだと思っているので。そのためだったら、セルフプロデュースがどうとかは気にするべきことじゃないなって思っていて。それで誰かと一緒にやってみたいなと思ってたんですけど、カルピスのCMになる曲を作って、なんとなく『あ、このタイミングだな』っていうふうに思ったんです」

■そうなった時に小林さんにオファーしたのは、SHISHAMOの新しい世界観を宮崎がイメージしたからなの? 

「正直に話すと、誰か他の人と音楽を作ってみたいなっていう気持ちになった時に、小林さんしか浮かばなかったんですよね。むしろ、小林さんじゃなかったら他の方とご一緒するのが意味がないくらいの気持ちでした。…………小林さんって、音楽とか関係なく普通に生活してる人の耳に一番入っていく音楽の作り方を知ってる人なのかなと凄く思っていて。私は『いい音楽を作る』っていうことにおいてはプロとしてやらせていただいてるんですけど、『みんなに聴いてもらえる曲を作る』っていうことのプロではないんじゃないかっていうのがあって……そこのプロの人と一緒にやってみたいなっていう気持ちがありました」

■その「聴かせ上手の小林武史」っていうのは凄く言い得て妙だと思うんですが、具体的にどういうところから感じるんですか?

「小林さんが手がけてる曲って、みんな知ってるじゃないですか(笑)。調べてみると『あぁ、これも小林さん!』ってなる曲ばかりなんですよ。音楽を好きな人じゃなくてもこの曲は知ってる、という曲が多い。……私はやっぱり、みんなに聴いて欲しいっていうのが強くあって。自分がいい曲だって思ってても、売れなかったら意味がないというか――ここで言う売れるっていうのはみんなに聴いてもらうってことなんですけど――そういう意味で、ちゃんと売れる曲を作る人っていうふうに思ってました」

■実際に一緒にやってみて、そこに秘技はあったの?

「単純に凄い楽しかったんですよ。『やっぱり私は音楽を始めたばっかの人なんだ』って自分のことを思ったっていうか――」

(続きは本誌をチェック!)

text by鹿野 淳

『MUSICA4月号 Vol.132』