Posted on 2018.04.17 by MUSICA編集部

UVERworldの新曲“ODD FUTURE”が響かせた新世界、
そして彼らの意志がこじ開けた新展開!
TAKUYA∞単独、克哉&彰のギタリストタッグによる
インタヴュー2部構成の表紙巻頭特集!

自分達の色と、自分達が外から得てくるものってひとつの皿には
乗らないんですけど、なんとか整理して乗せてる作業が今で。
正直、まだ発展途上。まだまだこの先いろんなスキルを
勉強していきたいし、自分達のオリジナリティを作っていきたい(TAKUYA∞)

『MUSICA5月号 Vol.133』より引用

 

#Interview1 TAKUYA∞

 (前略)

■“SHOUT LOVE”も克哉くんが作ってきた曲で、それが最終的に次へのUVERworldの扉を開けたような曲になったんだけど、今回また彼の中からそういう楽曲が出てきたのはどういうことだったんですか?

「克ちゃんが最近いいんですよ! みんなのトラックが僕のところに吸い上げられてくるわけじゃないですか。そのスピードとかクオリティって各々まちまちなんですけど、中でも克ちゃんが最近いい奇抜感を出してるというか。……克ちゃんって昔から、多数決しても5対1の1になることが多いんですよ。『どうせみんなこっち選ぶから、じゃあ俺はこっち選ぶ』みたいな天邪鬼なところもあるし、昔からファッション含め克ちゃんはセンスが変わってるっていうか。バンド名つけようって言った時も、あいつだけとんちんかんなバンド名出してきたし」

■ははははははははは。

「僕らは痒いところに手を届かせたいっていう曲作りとモノ作りをしてきた気がしてるから、常にある種の王道みたいなものを欲してて。でも克ちゃんは、今はまだ痒さもわからんようなところに手を伸ばすことに興味を持ってる部分もある気がしてて、だからこそ、僕は今、克ちゃんが持ってくるものを凄く期待して待ってるんですよね。実際、年明けてから信人とか彰から10曲くらい送られてきたものに対しては『うーん、これはなぞってきた気がするな。今これに対して何か歌えって言われても、ちょっとよくわからへん』って言ってパスしてきたんですけど、克ちゃんのトラックが来た時に、『今この時期にこのトラックに歌乗せれんかったら、俺はメロディメーカーとして失格や』って自分で感じましたし、実際、それを公言してメロディ乗せる作業に入っていったんです」

■とてもソウルフルだし、バキバキのエレクトロでもある。これは今のTAKUYA∞の中にあるリズムに対するイメージも含まれた上でこういう感触のものになってるの?

「これはオケに呼ばれていった感じもしますね。とはいえ、ちょうどこういうのも欲しかったって思ってたところもあって……だから自分のイメージがオケに重なっていく感じやったかな」

■いわゆるバンド然としたサウンドの構造とは違うバンドだし、そのバンド然とした構造をこのバンドは持っていないし、持たないままここまで来たわけだけど。その中でまた新しいゾーンに入っていってる感じがあると思うんです。これは音楽の趣向性とかが変わった部分も大きいんですか。

「それは単純に流れだと思いますね。今後またそうじゃなくなっていく時も来ると思うんですけど、今の段階では音源とライヴは別個のほうが刺激的だし、自分達のセンスに合うというか。ライヴは生楽器のバンドサウンドでしっかり骨太に届けるのがカッコいいと思うんですけど、それをそのままCDにパッケージしたところで、自分達が今までやってきたことの中で古く感じちゃうんですよ。だから音源は生バンドをどんどん排除していったり、音数をもっと減らして隙間で勝負していく形で構築して、作品として完成させるほうが気持ちいいというか。それをライヴで生サウンドでやればよりカッコよくなるし、そうすることで相乗効果がある気がしていて。だから最近の制作では、音源では生バンドを排除しつつ、『ここはライヴでは生でこういうふうにしよう』ってスタジオで口癖のように言い合ってるんですけど」

(続きは本誌をチェック!)

text by鹿野 淳

 

#Interview 2 克哉&彰

■まずは新しいシングルの完成おめでとうございます。バンドとしてまたしても新しい風穴を開ける作品になったと思うんですが。まずはリーダー、“ODD FUTURE”の作曲者として、この曲を生み出したきっかけや経緯を教えてください。

克哉(G)「次に向けて自分が新鮮だと思えるものを作りたいなと思って作っていったのが、きっかけですね。125ぐらいのテンポで、新しいハウス・ミュージックみたいになったらいいかなと思って作り始めたんですけど。でも完成までの過程でメンバーそれぞれのアイディアが詰め込まれて、いい意味でまったく別の曲になったっていう感じですね」

■『TYCOON』完成時の5人インタヴューの時に、「“SHOUT LOVE”という、リーダーの武骨なお顔からはまったくイメージができない非常に洗練された楽曲が生まれてきて、びっくりしました」という話を僕がしたところ、「その発言は絶対に入れてください」という言明をリーダー自身から受けまして、実際に誌面に入れてちゃんとファンからひんしゅくを買ったんですが(笑)。

克哉「ははははは、ありがとうございます(笑)」

■今回もとても洗練されてます。ハウスミュージックめいたものをイメージしたのは、リーダーがそういう音楽が好きだからなんですか。

克哉「そもそもセカンド・シングルの『CHANCE!』でそういうことをやってたんですけど、そのハウスミュージック感がUVERworldとしては全然伝わっていないなと、ふと頭によぎって。だったらこの2017年後半から2018年に入った現在、UVERworldとして今のアプローチで新しいハウスミュージックをやったらどうなるのかなって考えたんですよね」

■彰くんはこの曲のデモ・トラックが克哉くんから上がってきた時、どういうことを感じたんですか。

彰(G)「それこそ克ちゃんらしいオシャレさがある曲だなというか。克ちゃんって意外とポップなものが得意なんですけど、このキャッチーな感じが凄くらしいなぁっていう曲ですね。実は2コーラス目とかは僕のアレンジがほぼほぼそのまま入ってるんです。僕が元々持ってたネタを克ちゃんが作った曲に合うようにキーとテンポを全部合わせて乗っけてみたら、流れが凄い自然だったんですよね。……というか、僕はいっつもいろんな新しいアレンジをひとりで試してるんですけど、それはメンバー全員にはまず送らないんですよ」

■何故? 送れば。

彰「いや、送らない。決して送らない。まずは自分ひとりでやってみて何回も聴いて、その上で『これ、ひょっとしたら行けるかな?』っていうものを、まずTAKUYA∞くんに1回投げるんです。でも今回は克ちゃんの曲でもあるから、まずは克ちゃんに聴いてもらおうと思って『2コーラス目こんな感じどう?』って渡してみて。そしたら『これ、凄くいいよ!』って言ってくれて」

■それを聴いた時に克哉くんはどういうふうに感じたんですか?

克哉「いつも僕のネタを彰が切り貼りするというか、必要なところだけ使ってコードを変えたりするんですけど、そういうエディットの能力がメンバーの中で彰が一番上手やと思ってて。で、今回は特にそれが凄い上手いことハマりましたね」

(続きは本誌をチェック!)

text by鹿野 淳

『MUSICA5月号 Vol.133』