Posted on 2018.04.18 by MUSICA編集部

PATHFINDERの本当のフィナーレとなった
BUMP OF CHICKENマリンメッセ福岡公演に完全密着!
万感の想いで駆け抜けた半年間、そしてこれからを
丸ごと語った4人全員2時間半インタヴュー!

BFLYツアーが終わって、他の3人をもっと近くに感じたいっていう
気持ちがあったんだと思う。この3人と音を鳴らすことで
もっと深い絆が生まれればいいって思って。
絆を持つことは当たり前じゃないし、
想ってもらえることも当たり前じゃないから(直井)

『MUSICA5月号 Vol.133』より引用

 

■先週末に遂にフィナーレを迎えました、お疲れさまでした。

全員「ありがとうございます!」

増川弘明(G)「ここまで頑張ろう頑張ろうってずっとみんなでやってきたんですけど、いざ終わっちゃうと逆に寂しいみたいな、ちょっとムカつく感じになってて(笑)。気が抜けたつもりはないんですけど、ちょっと体調悪くなったり、そういう反応が出始めてて。まだ尾を引いてる感じもあるし、全然高まってるんですけど。とりあえず直近の福岡のライヴは凄く楽しくできたな、最高な瞬間をまた過ごせてよかったなっていう気持ちはあります」

■終わってみると「ああ終わっちゃったな」っていう寂しさがあるっていう話ですけど、逆に今回は長かっただけに、途中で「まだフィニッシュは先だな」みたいな気持ちもあったんじゃない?

増川「とにかく今回は1本目からそうなんですけど、凄く入念に練習をして。ツアー始まってからも1本1本ライヴが終わった後に必ず細かい振り返りをしてたんですね、毎回毎回。それは1本も欠かさずやっていて」

直井由文(B)「反省会的なやつをね」

増川「反省会を要は29回やってるんです(笑)。そういうふうに凄くONなシーズンだったんで、もちろん凄く充実してて楽しかったんですけど、でもどっかが痛くなったりなかなか気持ちが休まらなかったりっていうのがずっと続いていく張り詰めた期間でもあって。もちろんところどころ抜く瞬間は自分で頑張って設けますけど、『ここまでは』、『ここまでは』ってどっかで思ってたんで、そういうことを思いながらツアーしてました」

直井「無事にやり終えることができて本当によかったなっていう感想しか今はなくて。前半は主に僕と藤原くんの体調が全然よくなくて、ちょっと風邪みたいな状態がずっと続いてたりしてたんです。その中で周りのスタッフとかメンバーとかリスナーのみなさんに助けられながらやって、中盤から体調もよくなって、全然問題なくやってたんですけど。前半が体調悪かった分、ほんとにこれ最後までやり切れるのかな?っていう恐怖感があったんですけど、でも絶対にやり切りたいって気持ちもあったし、それでも1本1本全力でやっちゃう――次の日のこと考えないでやっちゃうから、倒れて病院行く日もあったし。そういう意味でも全部やり切れてよかったなって、今はすげぇ思ってます」

■今になって思うと、前半戦で体調が悪かったのはツアーに対して自分が構えてた部分もあったの?

直井「いや、単純にリハもすげぇ多かったし、疲れとか、あと季節の変わり目は絶対に風邪ひくんで、ちょうどツアーが始まる時期は毎回風邪ひくポイントで(苦笑)。そうならないようにめちゃくちゃケアしてたんですけど、上手くいかなかったんですね」

■フジは?

藤原基央(Vo&G)「この前の福岡で全パートが無事に終わって。だから僕も『無事に終わり』って言おうと思ったんですけど、無事ではなかったなと思って(笑)」

■それは福岡公演を延期することになったインフルエンザのことだよね?

藤原「そうですね。直井くんが言ったように僕もツアー冒頭は体調が優れなくて。病院に行ってひとりだけ遅れて現地に行くみたいなことも何度かあったんですけど、その割にライヴになっちゃうと全然絶好調で、ライヴの時だけハイパー元気になってたんですよね。栄養ドリンク的な話じゃなくて、ライヴに向かって体の全部の細胞がアイドリングされて仕上がっていくみたいな、そういう実感が結構あって。1公演1公演凄く大切に、その日のベストでやってくることができたなと思ってました。ほんとに1公演1公演、目の前のお客さんと凄く有意義な時間を過ごすことができて、それを凄く大切だと思うことができるような時間で。そういうライヴがどんどん繋がっていって。そしたら年が明けてインフルエンザになっちゃって。ほんとは2月11日で終わるはずだったツアーですけど、2月11日っていうのをスタッフがどういうつもりで取ったのかわかんないですけど、奇しくも我々の結成記念日ということで……美しいは美しいじゃないですか、タイミング的にそういう締め方っていうのは。だからね、ツアー終わります、そして活動23年目に突入しますってなるはずだったんだけど、俺のせいでその1ヵ月後に振替公演が入ってくるっていう(笑)。その1ヵ月は、お客さんにも、メンバーおよびスタッフにも、たくさんの人に迷惑かけたなっていう気持ちが凄くあったんで、生きた心地がしないとはこのことだなと思いながら過ごしてました。その代わり待ってくれてたお客さんには、そういう想いで僕もライヴに臨んで、全力でいいもの見せたいなと思って取り組んで。そういうライヴが終わったんで、ようやく自分の中でケリがついたな、みたいな。そういう気持ちが今はデカいです」

(続きは本誌をチェック!)

text by鹿野 淳

『MUSICA5月号 Vol.133』