THE ORAL CIGARETTES、個別インタビュー連載
第2回:ベーシスト・あきらかにあきら。
「毎日笑っていたい、遊んでいたい」という理想を掲げて
今まさに成長していくあきらの核心に迫る!
根っからポジティヴじゃないと思うんですよ、結構悩むし病むし。
割と元からポジティヴ度は高いと思いますけど、でもやっぱり
自分のテーマが「毎日笑っていたい」ってことなので。だからやと思いますね
(中略)
■そもそもなんでバンドをやり始めたの?
「そもそも僕は結構周りに流されやすいタイプで。高校に上がるタイミングで、中学から一緒にいた奴らと一緒に受験して上がっていったんですけど、そいつらが音楽好きだったんですよ。で、高校入ってそいつらが全員軽音楽部に入るってなって。なので、完全に周りの影響ですね」
■中学くらいまでは自分にとって音楽ってどういうものだったんですか。
「中学の時は、聴く音楽が周りの人とは全然違ったんですよね。当時TSUTAYAの端っこのほうにあった青春パンクのCDを凄い聴き漁ってて。今思うとあの時から音楽への道は始まっていたのかなと思います。テレビで流れていた音楽よりも自分の心が動く音楽があることを知ってたし、当時は別にそれを自分が鳴らそうとかってことではなかったけど、それを聴くのが好きだったし、それをディグるのが好きだったから」
■その時期の自分にとっての武器みたいなものはなんだったの?
「うーん……僕、すんごい集中力があって」
■妙な自信ですが、なんでそう思えてたの?
「塾で凄い成績がよかったんですよ(笑)。人が5時間かかるのを僕は1時間で覚えられたんです。ただ、1時間しかスタミナがなかった(笑)。集中力はあるけど凄い短期的で。すぐ眠くなるし。でもスイッチ入れた時の効率のよさは誰にも負けない自信があって。教えられたらなんでも器用にこなせるところは昔から強みやなと思ってました」
■自分は頭がいいんだって気づいたのは、いつぐらいだったんですか。
「僕はずっと、2歳上の姉ちゃんがライバルやったんですよ。姉ちゃんも頭よかったんですけど、僕のほうが賢くなりたいと思って勉強に取り組んでました。だから勉強のモチヴェーションも姉ちゃんの存在やったし」
■姉ちゃんを超えたかったのはどうして? 姉ちゃんが素敵だったの?
「姉ちゃんが素敵だったんです(笑)。昔から自慢の姉ちゃんやったし、友達にも『あきらのお姉ちゃんいいよね』ってめっちゃ言われてたのが自分の誇りでした。だから姉ちゃんを超えることがあればそれは凄いことなんだっていうのは、自分の哲学の1ページ目みたいな感覚がありましたね」
■そのための努力は割としてきたっていう感じなの?
「してきましたし、頑張ることに興味がありましたから」
■それは一番になりたかったの?
「うーん……一番にはなりたいですね。誰かの一番になれたり、何かで一番になるっていうのは、昔からこだわっています。もちろん今も」
■そう思うようになったのは、何がきっかけだったと思います?
「……そこはやっぱり、家で一番になれてなかったからやと思います。おとんもおかんも凄いんですけど、もう姉ちゃんがめちゃくちゃ凄かったんで、絶対に姉ちゃんには勝てへんなってなってたんで。そういう悔しい想いをずっと持ってるんですよ、きっと今でも」
■そういうあきらの素養は、音楽にどういう影響を及ぼしたんですか。
「うーん…………僕は誰かと何かをするのが好きなんですけど、でも、自分自身はまだ生み出せない人間だなって思ってます」
■それは前から?
「前からやし、今もそう思ってますね」
■そう思うに至ったきっかけは何かあったんですか。
「拓也に出会ったことですね。拓也と出会って、拓也のモノ作りと彼の創造力と出会ったことで、自分は完全に裏方というか、拓也のこぼしたものを全部拾い上げて綺麗な道だったよってする役やなって思ったというか」
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text by 鹿野 淳