Posted on 2018.04.20 by MUSICA編集部

まさしく剥き出しのロック・ドキュメントだった
My Hair is Bad、初の日本武道館公演2デイズ!
ホールツアーからの武道館で掴んだ確かなる進化と確信を
椎木知仁のアフターインタヴューと共に送る!

もっともっと自分の好きにやっていんだ、好きの中でクオリティを
上げていけばいいんだっていうことに、改めて気づきましたね。
ちょっと凝り固まってたのかなと思ったし、
それが吹っ切れたのが武道館の2日目だった

『MUSICA5月号 Vol.133』より引用

 

 3月30日&31日、満開に咲き誇っていた桜がハラハラと散りゆく無常の景色の中で開催された、My Hair is Badにとって初の日本武道館ライヴ、しかも2デイズ。

本当に予測のつかないバンドだなと思った。

本当に嘘のないロックバンドだなと思った。

本当に今この瞬間のリアルと生命そのものを鮮烈に刻むロックバンドだなと思った。

 だからこそ、本当にマイヘアはマイヘアのままこの先もっと大きくなるしもっとどデカいホームランを打ちっ放す、彼らにしか描けない景色を描き続けるロックバンドになるのだなと思った。

 

(中略)

■武道館2デイズが終了してまだ40時間くらいなんですが。私にとってはマイヘアって、ロックバンドって面白いな、凄いなと感動させられた2日間だったんですけど、椎木くんはどうでした?

「僕も面白かったですね。どんだけやっても自分達の生モノ感っていうのは抜けないものだなって思いました。そんなにプレッシャーかかってないつもりでいたんですけど、いざ立ってみたら……って感じでしたね」

■初日はやっぱり緊張してたの?

「緊張だったんですかね? なんか、わけわかんなくなってました。1日目の頭の3曲とかはギターのフレットもわかんなくなってましたから。視野が強烈に狭くなってましたね(笑)」

■正直、最初は空回ってる感があったけど、途中から取り戻していったなっていう印象があって。自分ではどうだったんですか。

「1日目に関しては武道館に立って音を出すことで精一杯だったっていう印象ですね。途中から取り戻したっていうよりは、ずっとステージの上から落ちないようにしてたっていう感覚です。あんまり記憶がない」

■やっぱり武道館ってそんなにも違うの?

「なんなんですかね? 前日までも特に緊張してなかったんですけどね。ちょっと寝られなかったりはしたものの」

■23時にベッドに入ったのに、明け方4時まで寝られなかったってMCで言ってましたよね。

「はい。でも想像の中では全然できたんですよね。練習もしたし、全然できるなと思ってたんですけど。やっぱ立ったら震えたっすね」

■それはあの環境に? それとも自分達がここに立ってるぞってことに?

「自分達がここに立ってるぞ、なんですけど、現実感があんまりないっていうか。『うわーっ、これ始まってんのかー!』みたいな感じでしたね。ライヴ中もずっと言ってましたけど、1日目は夢の中にいる感覚でした」

■その上で、2日目はかなり豪快にホームランを打てたライヴでしたよね。

「2日目は夢の中にいっぱなしにはしたくなかったので。30日は30日でいいライヴをしたと思ってるんですけど、もっと底力を見せたかったし。……初日のお客さんが入ってる武道館から、もう1回お客さんが抜けてやらせてもらった2日目のリハーサルで、武道館が凄く違う場所に見えたんですよ。『昨日よりちょっとサイズ小さくなってませんか?』っていうぐらいの感覚になれて。それでリハーサルも声が出て歌えて、イケると思って。メンバーも1日目よりずっとリラックスしてて。で、2日目は気づいたらどんどん自分の中にいた感じでしたね。すっごく楽しかったです。1日目も楽しかったけど、2日目はなんか泥酔してる感じでした」

■自分に?

「自分というか、曲にというか」

■1日目も演奏が崩れたとか、そういうことは全然なかったんだけどね。ただ、内側から迸るエネルギーが2日目は全然違ったんです。

「僕もワーッてやって一瞬で終わっちゃって記憶ないやと思って、いいライヴできなかったのかなと思いながら翌日、1日目の映像を観たら『あ、意外とちゃんとやってんな』みたいな。硬さはあっても、やっぱりツアーでやってきたことをちゃんとやれてるなって思えたんで。それも結構自信になって2日目ができたのかもしれないです。1日目があったからこその2日目でしたね。1日目に来てくれた人も涙流してくれたり本当に喜んでくれたりして、それと同時にウチのチームのみんなはちゃんと叱ってくれたり。それで1日目にやってたことを2日目にやらないでみたところもあったし。そういう意味でも、初めて大人数で回ってきたツアーの力を武道館の2日間で出せたかなっていう感覚はありました」

(続きは本誌をチェック!)

text by 有泉智子

『MUSICA5月号 Vol.133』