Posted on 2012.06.01 by MUSICA編集部

THE BACK HORN、今こそ命の讃歌を歌う

『2012年6月号 Vol.62』 P119に掲載

もうガワだけデコレーションされた音楽を作ったら、絶対にいろんなことがバレる時代になってると思う。今の時代の空気を汲み取ったような作品を出したとしても、「それが何なの?」って。なんとなく答えを探してるような音楽は、もういらないって

■今作『リヴスコール』は、『パルス』『アサイラム』と、ここ最近の2枚のアルバムで加速度的に凝縮していったTHE BACK HORNの音楽が一気にここで爆発したようなアルバムで。改めて、THE BACK HORNって奇跡的なバランスで成り立ってるバンドなんだなって思ったんですよ。メンバー4人が同じ方向を向いた時のエネルギーも凄いけど、今作では誰かがこっち側に行ったら誰かがこっち側に行くみたいな、4人が阿吽の呼吸で違う方向に向かっていて、でも、それが最終的には一体になっているという。

松田晋二(Dr)「うん。そういうアルバムの完成図のイメージを描いて、4人がいろんな道や角度から向かっていったというんじゃなくて、とにかく今やりたいこと、言いたいこと、表現したいことを4人がそれぞれやりつくした作品を作れたなって」

■最初に今作に至るまでのバンドの流れを振り返っておくと、自分は現在のTHE BACK HORNのひとつの起点となったのは、4人の個性が全面に出た2007年のセルフタイトルのアルバム『THE BACK HORN』なんじゃないかなって思っていて。そういう意味で、この『リヴスコール』からまた新しいTHE BACK HORNが始まっていくんだなって強く感じたんですね。

松田「確かにあのセルフタイトルのアルバムから、自分達の中のTHE BACK HORN像を新たに追求していったっていう感覚はありますね。そこから『パルス』があって、自分達の10年間を振り返ったベストがあって、その後に2年間かけて『アサイラム』っていう。もの凄く重厚な、自分達の世界観のひとつの完成形とも言える『アサイラム』ができて」……(つづきは本誌をチェック!)

Text by 宇野維正

『2012年6月号 Vol.62』のご購入はこちら