Posted on 2012.07.19 by MUSICA編集部

BUMP OF CHICKEN、「GOLD GLIDER TOUR」神戸公演2DAYS密着!

『MUSICA 8月号 Vol.64』P44に掲載

いよいよ後半戦に突入。
8年ぶりの神戸にて描いた光景は、
「確かなものは 温もりだけ」そのものだった。
一期一会の素晴らしさ、そのすべてをここに――

 

 13時40分。楽屋に入ると、いつものように升以外の3人がいる。チャマは歯を磨き、増川はストレッチをし、そして「よく来たね」と一言くれたフジは唇を震わせながら発声練習をしている。
 この「よく来たね」には特別な意味があって。それは前日に強い台風4号が来襲した後にもかかわらず、よくぞここまで来てくれたねという意味が含まれていたのであった。ちなみに彼らが昨日神戸に来たときは、風がいつもより強いぐらいで、台風には直接遭遇しなかったらしい。しばらくすると、チャマが「神戸ワールドホ〜〜ル♪」と発音しながらベースを片手に歌を唄っている。何度も彼らの楽屋にいて思うが、まあいろいろな話題もあるし、いろいろな遊びもあるのだが、結局はこの替え歌のように、すべてが音楽に繋がってゆく。自然と歌やビートにすべてが寄り添ってゆく感じだ。
 いつも以上に太く強く大きなフジの声が楽屋に木霊する。どうやら喉の調子はすこぶる良さそうだ。何より軽快そうに跳ねたり歩いている姿から、調子のよさが見て取れる。
 この日のホールの大きさは7,500人ほど。前回の徳島といい、このアリーナツアーの中では割と小さめなところに向かう癖が僕にあるみたいだと、チャマが言う。「わざと狙ってそういうところに来てるでしょ?」というので、「そう。(距離感が)近いことはいいことです」と答える。すると当たり前のように「でもどこだって俺らは近いと思うよ。俺ら自身がどこだってずっと近いと感じてやってるんだから」という返事がくる。そうだね、この音楽にしてこの人達、すなわちこの無限の大きさを放ちながら同時に無限の近さを醸し出す、これがBUMP OF CHICKENだ。
(続きは本誌をチェック!)

text by 鹿野 淳

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