Posted on 2012.08.15 by MUSICA編集部

ASIAN KUNG-FU GENERATION、震災後の日本に希望の塔を打ち立てる

風吹かぬ地に風吹かす
アジカンの決定打アルバム
『ランドマーク』
ここに新たなロックの塔が立った

■待望のアルバムが、遂に届きました。

「いやぁ、やっと終わりましたね(笑)。長かった」

■震災直後からスタジオに入り始め、結果、1年半くらいかけて完成に至ったわけですけど。アジカンとして今歌うべきことを歌い切った強いメッセージが明確に提示されていると共に、音楽的には非常にバラエティに富んだ作品になっていて。アジカンの培ってきたいろんな引き出しを散りばめた総決算的な趣もあるし、潔さん作曲の曲が初めて収められていることも含め、予想以上に個々の嗜好が自由に表れた作品になったなぁと思ったんですが。まずは、ご自分ではどうですか?

「正直言って、どう伝わるかわからない、このアルバムは(笑)。もちろん、ちゃんと決意を持って書いたものだし、自分が今書くべきだ、歌うべきだって思うことは全部歌ったし、鳴らしたい音は全部鳴らしたと思うんですけど。でも、それがどういうふうに人に受け取られるかは全然想像できてないですね。だから、今までで一番ドキドキしてる(笑)。それはきっと、曝け出してる部分があるからかもしれないですけど」

■はい。リードシングルになった“それでは、また明日”を筆頭に、歯に衣着せぬ物言いで今私達が生きている現実に言及しているし、そこにある闇やネガティヴも逃げることなく真っ直ぐに鳴らしていて。でも最終的には、ここにある音楽は未来へと繋がっていくためのタフな希望として鳴っているという……そこが素晴らしいと思いました。

かもしれない、『俺達はライヴハウスに夢を見に来てるんだよ、どうしてこんな現実のつぶてを投げつけてくるんだ?』っていう気持ちが湧き上がる人もいるかもしれないとも思うんですけど。でも、俺は今のタイミングでこういうことを書けないんだったら、ペンは置かなきゃいけないって思うから。そういう気持ちで書きましたね」

(続きは本誌をチェック!)

text by 有泉智子

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