Posted on 2012.09.14 by MUSICA編集部

くるり、創造が迸る最高傑作!

僕らがロックバンドに、音楽に、くるりに興奮し、
心震え、笑い、涙する理由のすべてがここにある!!
大傑作『坩堝の電圧』、この音楽の果てなき創造性と
未来への切なる願いに、光と祝福あれ!

『MUSICA 10月号 Vol.66』P44に掲載

■そもそも、このアルバムのコンセプトだったりイメージだったりっていうのは、最初から岸田さんの中にあったんですか? それとも、やっていく中でだんだんと見えてきた感じだったのか?

「始まりの頃は、省念くんとかファンファンの持ってる音楽的な引き出しと、自分達が持ってる音楽的な引き出しっていうのを考えた時に、そのどっちでもないものになるような感じが割とあったんですよね。どういうことかっていうと、たとえばラのシャープの音ってトランペットは出しにくいんですよ。出しにくいけど、俺はそんなこと知らんから、ラのシャープが入った曲を書く。そうすると、吹くのが難しいから、普通に吹いてる時よりも音の鳴り方に緊張感が出てくるわけです。あるいは、自分の持ってるピッチ感とまったく違うピッチ感を持ってる人と一緒にやると、それまでにはなかった何かが出てきたり。相手が全然関係ない人とやったら戸惑うんですけど、一緒の景色を見ようとしてる人やったら、それが凄く面白く響いて、独自のモノになっていくんですよね。で、それが自分にとっても凄く楽しかったし。このアルバムはそういうものの集合というか」

■それは凄くよくわかります。だからさっき話したこれまでのくるりの集大成的な音楽性でありながら、でも明らかにこれまでと違う、アップデートされた感覚が鳴っていて。

「そう。だからこのアルバムのデモを出したら、それはそれでおかしいアルバムになんのちゃうかなと思うぐらい、そのアイディアのレヴェルっていうのは越境的というか、エクレクティック(折衷的)なものやった。それはやっぱり、このメンバーになったっていうのが凄く大きいでしょうね。せやから、音楽的に考えると、相当おかしいことになってるアルバムのような気がしてます」

■実際、相当おかしいことになってますよ。単純に、こんな音楽聴いたことがない。

「でしょ。そうですよね」

(続きは本誌をチェック!)

text by 有泉智子

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