Posted on 2013.01.16 by MUSICA編集部

サカナクション、大佳境のアルバムRECに年始から完全密着

いよいよアルバム制作開始に突入。
そんな新年一発目のスタジオに15時間以上張り付き&
早朝インタヴューを名実ともに敢行。
次号は久々の表紙巻頭なサカナクション、
アルバムはすごいことになってます!!

 今回は2013年、サカナクションの新年一発目のレコーディングに密着したのを軸に、もうすぐリリースされるシングル『ミュージック』への想いを踏まえた山口一郎(Vo)インタヴューなど、ここ最近の動向をすべて生裸にした記事を届ける。
 タイトルにもある通り、次号ではシングル“ルーキー”リリース時以来、久々の表紙巻頭特集を彼らと共に作る予定だが、そのことからもわかるだろう、彼らのアルバム制作はいよいよ佳境に突入している。まずは、ここまでの流れを一度おさらいしようと思う。

 去年の9月から彼らはずっと、次なるアルバムを見据えたレコーディングに入っていた。場所は山口一郎宅。ちなみに彼の家はハウススタジオでもなければ、大豪邸でもない。ひとりで暮らすには若干広い、という程度のマンションの一室である。そこで彼らは新しいレコーディングをスタートさせた。偶然、レコーディングを始める準備をしている時に訪問したことがあるのだが、メンバー全員で楽器を持ち込み、部屋の適所に機材を配置し、音がなるべくデッドな環境(音が反響しない環境)になるように壁にスポンジを貼ったり(スポンジが吸音材の役割を果たすのだ)、いろいろな試行錯誤をしながら準備をしていた。
 何故、ホームレコーディングが必要だったのだろうか? 経費削減か? お気に入りのスタジオが予約できなかったのか? いや、そんな理由じゃない。やりたいことがあったし、取り戻したいものがあったからだ。それは、「バンドとしての音楽」というコアをもう一度見詰め直すことだった。
 しかし、こういったレコーディングはリスクも大きく伴うものだ。メンバー以外スタッフもほとんど訪れない中でシステマティックな進行ができるわけないし、ビジネスと距離を置く分、煮詰まっても自分らで解決しなくてはならない。おまけに以前レポートしたように、突然ブレーカーが落ちて停電になる(笑)。何より一郎が、このレコーディングのノリやここから生まれる音に引き込まれ過ぎて、なかなか歌詞に集中して向かえない状況が生まれ、その結果シングル“ミュージック”に関して、今までの“目が明く藍色”や“ルーキー”や“エンドレス”などの時以上に、歌詞を導き出すのに苦悩する日々が続いた。

(続きは本誌をチェック!)

text by 鹿野 淳

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