Posted on 2013.06.16 by MUSICA編集部

じん(自然の敵P)、時代を席巻する新世代アーティスト、初ロングインタヴュー

音楽に救われた少年が切り開いた、
新たなる音楽の未来

『MUSICA 7月号 Vol.75』P40に掲載

■まず初めに、そもそもじんさんの中では、音楽というものが表現の一番芯にあるんですか? それとも、物語の作り手として、その中に音楽と小説は同等にあるという感じなんですか?

「正直な話、元々音楽の専門学校に行ってたというのもあるくらいなので、やっぱり自分が優先的に選び取った武器は音楽なんです。『カゲロウプロジェクト』自体も、音楽を作ってみようという時に『面白い形ってなんだろう?』と思ったところから始まってるんですよね。昔から小説とか、自分でお話を妄想したりすることが凄く好きだったんですけど、でも一番衝撃を受けたのはやっぱり音楽なんです。音楽って理屈じゃないじゃないですか。小説ってこういう構成、こういう書き方だから面白いってことは言えるんですけど、音楽ってわからなかったんですよ。ただただ凄い、ただただ感動するっていう……そういう不思議な魅力を高校生の時にTHE BACK HORNやアジカンの音楽から感じて、凄く憧れて。だから、やっぱり真ん中にあるのは音楽でできることっていうところなんだと思います」

■ちなみに、カゲロウプロジェクトのテーマソングという位置づけで作られてシングルにもなった、一連の楽曲の中でも最もメッセージ性の強い“チルドレンレコード”という曲――あとファーストに“ヘッドフォンアクター”っていう曲もありますが――これは、THE BACK HORNのアルバム『ヘッドフォンチルドレン』から来てるんですか?

「そうです、完全にそこです(笑)。あんまり言われないんですけど」

■ふふ、やっぱり。

「僕の人生で一番好きなアルバムが『ヘッドフォンチルドレン』で。僕にとってはもう、凄く救ってもらったアルバムなんです。本当に、今もずっと聴いてる大好きなアルバムで。そんなに強く出すつもりはなかったんですけど、わかりました?」

■“チルドレンレコード”の動画を観た時にピンと来ました。あの曲調と頭の<白いイヤホンを耳にあて>という歌詞、それと登場人物達のヘッドフォンがリンクして、あ、そうかと(笑)。

「これは完全に僕のファン意識というか、憧れが出てしまってます(笑)」

■そもそも音楽を作り始めたのはいつ頃?

「何か伝えようっていうことではなく、本当に趣味として作曲を始めたのは専門学校の1年生とか2年生になる頃です。だから3年ぐらい前」

(続きは本誌をチェック!)

text by 有泉智子

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