Posted on 2013.06.21 by MUSICA編集部

flumpool、デビュー5周年、新曲“大切なものは君以外に見当たらなくて”に込めた決意

本当の勝負を迎えた山村隆太、その第一声

『MUSICA 7月号 Vol.75』P82に掲載

■リリースとしてはアルバム以来、半年ぶりになるんですけど。明らかな新しい世界が聴こえてくるシングルになったと思います。歌詞についても、曲調についても、大きな世界を描き切った『experience』とは対照的に、小さな世界、日常的なものを“大切なものは君以外に見当たらなくて”という曲では歌っていて。曲に対する発想自体が根本的に変化したなぁと感じました。

「まず最初に“大切なものは君以外に見当たらなくて”というタイトル――要はメッセージがパッと出てきた時点で、下手にカッコいい言葉を並べたてるよりも、ストレートにいきたいなと思ったんです。そもそもflumpoolってそういうバンドだったよなという思いもあって」

■そういう気持ちに至ったのはどうしてなの?

「いろいろな曲を作ったからだと思います。ライヴを数多くやりながら、アルバムを見据えて、どんなことを歌うべきなのかを考えていく中で、いじめや差別の問題とかもそうですけど、人それぞれ抱えている問題は違うからこそ、そのひとつひとつのことを個別に歌っていきたいと思ったんです。なので、いろんなタイプの曲を作ろうとしていたんですけど、そんな時に出てきたのが、この曲のサビのフレーズで。結局僕らが伝えたいことというのは、『君以外に大切なものは見当たらない』っていうことなのかなとふと思って。だから素直に出てきた言葉をそのままいつか伝えたいなと、去年ぐらいから考えてました」

■今はもの凄く情報も溢れてるし、その情報の中にはエポックメイクなものもたくさんある。その中で音楽を通してメッセージを伝えようとしたらたくさんのことができると思うんだけど、そういうものを全部含めて、<大切なものは君以外見当たらなくて/そう 現に愛に世界中 動かされてく>というメッセージが出てきたんだ。

「そうですね。本当にいろんな価値観があるし、その中で音楽がそれぞれの価値観に寄り添っていくというのも今の時代の音楽の在り方のひとつだとは思うんです。でも僕らflumpoolが目指すところはポップバンドとして大衆に音楽を届けていくことなんですよね。さらに欲を言えば、その先で、J-POPというものをどんどん世界に向けて発信していきたいとも思ってますし。カッコいいバンド、インテリでお洒落なバンドが好きな人にはflumpoolは受け入れられづらいかもしれないですけど、僕らがやりたいことは、とにかくストレートに想いを伝えるということなんだと、改めて今思っているんです」

■アルバムリリース以降、アリーナライヴもやったし、台湾でライヴもしたりと、いろんなことがあったと思うんですけど、その経験を通してどんなことを感じました?

「やっぱり……音楽の力を改めて感じましたね。年始のアリーナライヴは、もう一回バンドとして音だけで勝負できるようになりたいという意識が凄く強かったんです。もちろん、これまでの僕らなりのエンターテイメント感――メンバー紹介のMCを面白くやったり、いろいろ演出もしたりっていうやり方も大好きなんですけど、今はあれじゃ何も本当の気持ちが伝わらないと思って」

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text by 鹿野 淳

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