Posted on 2013.10.15 by MUSICA編集部

RADWIMPS、次のステージへ。
初の野外ワンマンレポート&ニューシングル徹底レヴュー

ここ数年の旅にひとつの決着をつけ「次」へと進むための
愛に溢れた初の野外のワンマン「青とメメメ」。
そして、放たれた痛烈な問題作たるラヴソング集、
ニューシングル『五月の蝿/ラストバージン』。
あまりに無比なその存在を、その楽曲を徹底レヴュー

『MUSICA 11月号 Vol.79』P.66より掲載

 

 とても特別な日だった。RADWIMPSにとって初の野外ワンマンライヴだったことや、その初の野外ワンマンを東日本大震災から2年半が経った東北の自然に抱かれた場所で行うことの中に託されていた想いや、そういうことを指して「特別」と言っているのではない。この日のライヴは、『アルトコロニーの定理』以降のRADWIMPSが突き詰めてきたテーマと表現してきた音楽に対して、自らひとつの答えを出し、決着をつけるようなライヴだった。そしてその「答え」が、こんなにもあたたかで、愛と慈しみと歓びと、人への感謝に溢れたものであったことに、とても大きな感動を覚えた。この日のライヴをやり遂げたからこそ、やっとRADWIMPSは「次」へと進めるし、実際にここから彼らは新たな世界へと力強く歩を進めて行くのだろう―――そんなことを大きな充足感の中で強く感じた、本当に幸福なライヴだった。

 まだ明るくて周りの景色も周りの人達の表情もはっきりと見える16時。目と瞳を幾何学的にデフォルメしたような、真っ青な菱形の中に配されたLEDヴィジョンに脈打つ心臓をグラフィック化した映像が映し出され、鼓動を想起させる打ち込みのSEと共にメンバーが登場、ライヴはスタートした。初っ端から“One Man Live”、“ギミギミック”、“なんちって”と疾走感の強い楽曲が繰り出され、メンバーからもフィールドいっぱいのオーディエンスからも、アッパーな衝動と力強い生命エネルギーが一気に開放されていく。

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text by 有泉 智子

『MUSICA11月号 Vol.79』