Posted on 2014.02.16 by MUSICA編集部

最高傑作“Sweet Dreams”誕生。
BIGMAMA金井政人、
新たな飛躍へと向かうバンドの現在地と自信を語る。

この“Sweet Dreams”は名曲になる。
今までの曲はぼんやりと「名曲になればいいな」って思っていたけど、
この曲は「5年、10年かかってでも名曲にしていこう」って
確信的に思えたんですよね。
10年先も自分自身が自信を持って歌える曲だと思っているから

『MUSICA 2月号 Vol.83』P.50より掲載

 

■バンドにとっても、金井政人にとっても、非常に大切にしていた曲が、このMUSICAが出る約10日後にリリースされます。紙資料にも「代表曲が誕生」と書いてあるけど、この代表曲という言葉は単純に今までよりもいい曲が書けたからなのか、それとも自分にとって特別な曲が書けたからなのか、それとも普遍性がある耐久力が非常に強いものが書けたからなのか。どうですか?

「今までも、『5年後も10年後もカッコいいと思えるものができた』って言い方を僕がした曲やアルバムってあったと思うんですよ。その中で一番そのニュアンスや輝きが強い曲というか……凄く新しいんだけどBIGMAMAっぽいっていう理想的な形で、バンドの今を表現できた曲なんじゃないかっていう感じですね」

■実際にこの曲は最高傑作だと思うんです。BIGMAMAがここ2年間くらいで音楽性を変化させてきた結晶が、この“Sweet Dreams”という曲には何層にも張り巡らされている。そこに今までのバンドの紆余曲折や曲の断片みたいなものも見えてることによって、ヴァラエティ感とドラマチックを凄く感じるんですよね。

「BIGMAMAの確固たる新しいオリジナリティとして、ライヴにおいて“until the blouse is buttoned up”がキーとなる曲になったんですよ。自分達にとっても必要で、かつ来てくれた人達に対しても必要な曲で、相思相愛な曲が生まれたと思ってて……でも自分の中では、“until the blouse~”と違うベクトルで先に進んだ曲はあっても、あの曲と同じ世界観で先に進めた曲はなくて。それをずっと作りたかったんですよね」

■“until the blouse~”っていう曲は、当時のBIGMAMAらしい曲ではなかったと思うんですよね。それは単純に、モッシュやダイヴがしやすいフィジカルな曲ではなくて、スピリチュアル優先の感動的な曲だったということ。金井は“until the blouse~”とは相思相愛だったって言っていたけど、最初からそうだったのではなくて、この曲とファンとBIGMAMAが相思相愛になったのは、BIGMAMA自身の覚悟がそこにあったからだと思うんだよね。

「唯一無二のオリジナリティというものに関して、僕はバンドをやり始めたころからずっと不安があったタイプの人間で。そもそも自分にオリジナリティがあるのかって思ってるから、今でも(笑)。その想いを抱えながらできたのが“until the blouse~”だったなら、純粋に何も考えずオリジナリティが外に出てきたのが“Sweet Dreams”なんですよ。BIGMAMAってバンド名自体も人間っぽいからわかりやすいと思うんですけど、血のように何かが巡って生きているところが自分の中であって、その代表的なものが音楽性で。音楽性がどんどん巡っていく中で、アルバム5枚のタームを経て、今自分達の結末がわかったんですよね。この前のアルバム(『君想う、故に我あり』)が低血圧だったのかはわからないけど(笑)、“Sweet Dreams”で自分達にとって音楽性の基準になるような一番スタンダードな代表曲――『自分達の体温』がわかったんです。メンバーにヴァイオリンもピアノも弾ける女の子がいるっていうこと、大きいロックサウンドが似合うメンバーが揃っていること、バンドとして僕達がどういうところに音楽的なオーガニズムを覚えていくかっていうところを、この曲を作りながら気づいていったんですよ」

■2010年代に入る前のBIGMAMAは、「僕らはパンクバンドでも、メロディックパンクバンドでもない」って盛んに言ってて。その言葉が曲として辿り着いたスタンダードソングが“until the blouse~”だったよね。で、その道が“Sweet Dreams”で確立したんじゃないかなって思ってるんだよね。

「この曲がBIGMAMAの最初の曲のような気持ちで……今までのすべてが糧になって1曲に集約されることってバンドやっててそうないと思うし、この先も1曲か2曲あればいいほうなのかもしれないって思うんですね。でもバンドの歴史が1曲に収まってる感覚が、間違いなく“Sweet Dreams”にはあって」

 

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text by 鹿野 淳

 

『MUSICA3月号 Vol.83』