Posted on 2016.06.18 by MUSICA編集部

VIVA LA ROCK 2016、
音楽への愛と情熱で満ちた2日間を記録する大特集!
そのドキュメンタリーをここに

3度目のビバラも音楽への愛と熱狂が溢れ返る、
最高に幸福で真摯なロックフェスになりました!
すべての参加者、出演アーティスト、音楽ファンに
心からの感謝とリスペクトを込めて、
恒例のVIVA LA ROCK大特集を送ります!

『MUSICA 7月号 Vol.111』より掲載

 

 まずはお礼を言わせてください。参加してくれた皆さん、このフェスを注目してくれた皆さん、本当にありがとうございました。今年は初めて初日が23,000枚によってソールドアウトすることができました。2日目もそれに準ずる22,000枚という結果を残し、過去2回のどの時よりもたくさんの方々に遊びに来てもらうことができました。埼玉の音楽シーンの活性化、ロックシーンのさらなる可能性の創造、音楽をもっといろいろと聴いたり楽しむためのきっかけの場所になりたいと向かい合ってきたこのフェスは、多くの方に「ビバラ」の愛称で知られるほど認知が増し、話題のフェスになることができました。本当に嬉しいです、ありがとうございました!

 今年はビバラにとって大きな勝負の1年でした。それは、3年一括りとも言われる3年目の開催だったこともあるし、何よりもさいたまスーパーアリーナの改修工事により、通常開催の5月3日〜5日までのGW3日間開催ではなく、3週間以上遅れての2日間開催になったからです。

 VIVA LA ROCK 2016は、まずはその命題ととことん向かい合うことから始まりました。具体的に言うと、3日間開催の集客数で予算組をしているので、それを2日開催レベルに変えるということです。僕らは「ロックフェス」というのは音楽好きの人のために夢を現実の場として描き出す場所だと思って本気で取り組んでいるのですが、その夢をカタチにするのにかなりの制限が出そうな予算組ができ上がり、演出面のスタッフとどうしたもんかと何度も何度も悩みました。しかしそこで悩んだ結果、結束がさらに強くなったり、コストを抑えての最大限の演出効果を考えたり、様々な勉強をすることができたんです。これは結果論として本当に大きなことでした。

 具体的にはSTAR STAGEの演出はレーザー光線を中心に据えて考え、VIVA! STAGEは名物のバルーン巨人を黒色から迷彩に変えるに留め、そしてCAVE STAGEは――そう、このCAVE STAGEが一番のテーマだったんです。それは2日間開催や予算組とはまったく関係ない、でもこのフェスがずっと向かい続けなければいけない「ひとりでも多くライヴを楽しめる空間にしないと」というテーマでした。

 このフェスはさいたまスーパーアリーナ内に3つのステージを設置しているのですが、このCAVEだけが極端に収容人数が少ないのです。だからこそ通路にパブリックヴューイングスペースを作って、ステージエリアの外でも巨大画面とサウンドでCAVEのライヴを観られるようにしたり、それこそフェスに来れなかった音楽ファンへのプロモーションになるように生ストリーミングをしてみたり、様々なフォローアップをしているのですが、それでもなんとかステージエリア内の改良ができないものかと考え、今年はステージの置き場所を抜本的に変えて臨みました。結果的に400人ほど多くの方々に入ってもらうことができましたし、サウンドも独自の「ライヴハウスでもクラブでもガレージでもない、不思議な臨場感が楽しめる場所」になったと思います。正直このCAVE STAGEは永遠に色々なテーマと闘い続けるものだと思っているので、毎年少しずつ改良をしていくことになると思いますが、それでも今年も少しだけ進化することができました。

 このCAVE STAGEが一番入場規制が多く発生するステージでもあります。今年も多くのバンドやアーティストの時に規制がかかり、パブリックヴューイングスペースも溢れ返った時があったと確認しています。今後はその入場規制に関してもより多くの参加者に迅速に伝わるよう、会場内で一斉アナウンスをしたり、善処をしたいと思っています。

 このフェスの特色として多くの方が「VIVA LA GARDEN」を挙げてくれます。このフェスはさいたまスーパーアリーナというアリーナ館内で成立するものですが、そのアリーナの入り口前にある大きな「けやきひろば」を全部借り切って、そこに飲食スペースやステージエリアを始めとする様々なインフラ施設を置く、この「VIVA LA GARDEN」を楽しんでくる方々がとても多くて、僕らもこのフェスの「顔」として毎年楽しんで運営している場所です。

 今年はこのVIVA LA GARDENもリニューアルしました。前述した予算の都合での引き算もありました。何より大きな引き算は「GARDEN STAGEエリア内にフットサルコートを作らなかったこと」なんです。このフェスは自分も含めてサッカー好きが集まってワイワイ語り合いながら始まったもので、だからこそ過去2回のようにこのフェスの間だけ結構高級な人工芝を敷いて、フットサルを誰もが楽しめる場所にし、夕方以降はそこでライヴやDJも楽しめる空間にしよう!というのは、ビバラのスピリッツだと思っているのですが、まあ、それだけで500万以上かかるわけです。なので、今年は泣く泣くその特設フットサルコートを断念し、純粋なステージエリアにしました。そして、まだ改修工事や新規店舗の工事が完成していないけやきひろばの階下のスペースを使えなかったので、昨年まで階下に設置したキッズランド「アソVIVA」をけやきひろば内に作り、代わりにビアガーデンテントを今年だけ廃止にすることにしました。世のお父さんの楽しみを奪って、子供達のランドを守ったわけです(笑)。来年はフットサルコート同様、ビール天国も復活できればと思っています。

 そのGARDEN STAGEもけやきひろば全体を考えるとかなりの人数の方々に音楽を楽しんでもらえるスペースになったので、今年はステージ自体を大きくし、アクト数も増やしました。名実共にさいたまスーパーアリーナとけやきひろばの両方を使うフェスとしてのイメージはでき上がったと思いますし、けやきひろばはフリーエリア(チケットがなくても楽しめる無料スペース)なので、フェスのお客さんとご近所を始めとするさいたまの方々が交流する場所としても今年はとても活性化することができたと思っています。

(続きは本誌をチェック!

text by鹿野 淳

『MUSICA7月号 Vol.111』