Posted on 2017.02.17 by MUSICA編集部

KANA-BOON、
2017年第1弾シングル『Fighter』リリース!
再び4人らしい活力を持って踏み出した今作を、全員で語る

今までは「いつかは終わってしまう」
っていうことがずっと頭にあったんですけど、
今はバンドを長く続けたいし、
自分の人生とバンドをしっかり繋いでおきたいと思ってて

『MUSICA 3月号 Vol.119』P.94より掲載

 

■えーと、古賀くんが遅刻してましてなんと3人しかいません。

飯田祐馬(B&Cho)「むしろ、いいスタートなんじゃないですか?(笑)」

■(笑)バンドシップは大丈夫なんですか?

谷口鮪(Vo&G)「問題ないです(笑)。珍しいな。珍しくはないか?」

飯田「リハだとたまにあるよな。12時からリハやったのに、12時に目覚めるみたいなのめっちゃ多いんですよ」

谷口「ま、古賀おらんでもリハできるしな」

■おい(笑)。2017年としては一発目のシングルなんですが、『Origin』以降ということで考えると、二発目のシングルになるわけですが。まず、前のシングルは決意宣言みたいなシングルだったと思うんですけど、そこからバンドとして何を思い、この制作に向かったのかっていうところから教えてもらえますか。

谷口「『Wake up』のリリースタイミングぐらいで“Fighter”自体は録りも終わってて。なので、『Origin』以降っていうことで、“Wake up”からずっと続いてるテンションはあります」

■『Wake up』の時は鮪くんひとりでインタヴューさせてもらっていて。あの時、一度はっきりと挫折をして、その上で新しい扉を開けた音楽があるっていう話をしてもらったんですけど、ふたりはどうだったんですか?

小泉貴裕(Dr)「僕も挫折だらけでしたね。去年1年は、後半に入るギリギリぐらいまでずっと悩んでて。で、やっと後半で徐々に自分の状態と向き合いながら、音楽を楽しめるようになってきた段階に来れていて。悩むほうが多かったんですけど、今は気持ち的にいい方向に向かってますね」

飯田「みんな言葉に出さなかったんですけど、今思えば、メンバー間の空気もそんなによくなかったんじゃないかなって。バンドってあんまり『挫折した』っていう決定的なことってわからないじゃないですか。勝敗みたいなのがなかったりするんで。それで『自分はこういう状況なんや』って気づかない感じがずっと続いてて。でも『Origin』のツアーでの挫折があったので………俺ら、昔はもっとキラキラしてたよなっていう感覚が凄くあったんですよ。音楽的によくはなっていってるはずなんですけど、でもキラキラした青さとは反比例してる感じがして。『あれ? 俺らこんなんやったっけ?』っていう感覚がだんだんデカくなってて」

■要するに、バンドとしての輝きとかエネルギーみたいな部分だよね。

飯田「そうですね。一人ひとりが上手くなったらバンドがよくなるんかって言ったら、それはそうなんですけど、バンドってそれだけじゃないところもあるじゃないですか。そこに気づいて、じゃあどうしないといけないのか?ってことを全員で話し合ったりしたんですよ。そういうことがあって、今は上を向いて歩いてますね。最近は凄いバンドの空気もいいし、ミーティングとかでも話す機会が凄く増えたし、レコーディングの空気もライヴの空気もちょっと前とは全然違ってて。個々の距離感が近寄ってきてるからいいものができてるんやなって思いますね」

■個々の距離感が近寄ってきてるっていうのは、鮪くんも感じます?

谷口「それは感じますね。特に古賀の距離感が凄いよな、最近。古賀の歩み寄りが一番大きいですね」

■それは古賀くんがゴーイングマイウェイじゃなくなったってこと?

谷口「いや、今もゴーイングマイウェイなんですけど、そのゴーイングマイウェイがこっち向いた、みたいな感じですかね」

飯田「はははははははは、確かに!」

谷口「こっち向かって突進して来てて、『近い近い!』みたいな(笑)」

飯田「でも、その結果いい混じり方してるよな(笑)」

谷口「メンバー全員、少し大人になった感じはするんじゃないかな。今までじゃれ合ってた子供みたいな感じから――まぁ精神年齢はずっと変わってないんですけど(笑)、挫折を経たり、メンバーともう一度顔を向き合わせたりしたし。それって人間的に大人になってるってことなのかなって思うから。そういう意味で、4人とも人としての成長みたいなところは感じますね。ちゃんと人と向き合うようになった気がします。中でも特に古賀に関しては、それを凄く感じるというか」

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text by有泉智子

『MUSICA3月号 Vol.119』