Posted on 2017.06.20 by MUSICA編集部

この1年でひと回りタフになったKANA-BOONから、
等身大のエールソング『バトンロード』が到着。
褪せることのない情熱を4人全員で語る!

結果的に自分達に対してっていうのは強かったかもしれないですね。
上っていこうっていうタイミングでもあったやろうし、
ここから始まっていく自分達への応援歌みたいなところもあったと思います

MUSICA7月号 Vol.123P.90より掲載

 

(前半略)

■“バトンロード”という曲が新しいシングルとしてリリースされます。私はこの曲、つい「バンドロード」って呼びそうになるんだけど(笑)、それは語感が似てるとかいう理由だけじゃなくて、この歌にはKANA-BOONとしてのバンド道というか、バンドを続けていくことへの決意と覚悟が歌われているなと思うからっていう理由が大きいんだけど。いいことばかりじゃないっていう現実もしっかり見つめた上で前を向いて、もがきながら懸命に進んでいる今の4人だからこそ歌い鳴らせるリアルなエールだと思うんです。これはいつくらいに作った曲なんですか?

古賀「1月の9日、10日辺りじゃなかった?」

■ということは、2017年の1発目に作り始めた曲なんだ? 新しい年の最初に取り掛かった、その心意気や決意みたいなものも反映されてるの?

谷口「いや、今回はちょっと特殊な感覚っていうか。前に“シルエット”や“ダイバー”を書いた時は、NARUTOシリーズの主人公達と同じ目線になって、自分達のいろんな状況とかも照らし合わせてって感じだったんですけど、今回はNARUTOの息子のBORUTOが主人公なんで(『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』のOPテーマ)、NARUTOから地続きではあるけど、でも僕らがずっと見てきたものの次の世代の新たな物語の始まりで。だから主人公目線ではなくて、それを俯瞰して支えるというか、応援するような形で書いたんですよね。だから『20171発目の曲作りやぞ!』っていう感じよりは、BORUTOの世界にどれだけ入れるかっていうことで書いてて。でも、“シルエット”の時もそうでしたけど、結果的に無理することもなく自然とちゃんと自分達ともマッチする曲ができたなと思います」

■というか、完全に自分達に対するエールじゃないけど、改めての決意宣言のような曲として力強く聴こえてくるなと思いました。

谷口「結果的に自分達に対してっていうのは強かったかもしれないですね。上がっていこうっていうタイミングでもあったやろうし、ここから始まっていく自分達への応援歌みたいなところもきっとあったんやと思いますね」

■去年から、これまでのようなセッションで曲を作っていくのではなく、鮪くんがまずひとりで曲を作り上げてバンドに展開するという形の曲作りを続けているっていう話をしてくれてましたけど、この曲は?

谷口「曲は僕が全部作って、メンバーに送ってというやり方ですね。去年から言ってた新しい作り方をやったっていう感じですね」

■みんなはこの曲聴いた時にどう思いました?

小泉「たしか、古賀がこの曲がいいって初めに言ったんですよね」

飯田「俺はもう1個のほうを推してて」

谷口「これよりも前にもう1曲、候補の曲があったんですよ」

古賀「もう1個のほうはもの凄くポジティヴで、サビメロがメジャー調やったんですけど、NARUTOはそうではないんじゃないかって僕は思ったんですよ。僕らがNARUTOの作品に関わる時に向けてるものって、ちょっと違うなって思ってたんですね。明る過ぎないというか、真剣さが入ってる曲というか。ちゃんと深い意味があって………これ、もう1曲に深い意味がないってことじゃないよ!」

谷口「いやいや、完全にそういう言い方やったやん。もう1曲は深い意味もなくて真剣さがない曲みたいな言い方やった(笑)」

古賀「ちゃうねん! こっちのほうがなんか深いところまで入ってくる感じがしたんです。ストレートに胸に刺さるというか。肩組んで行こうぜって感じじゃなくて、同じ歩幅で進んで行こうぜって感じっていうか。……違うか。うーん、なんて言ったらいいんやろうな」

■明るいだけじゃない、そして上から目線でもない、ちゃんと心を抉るようなリアルなメッセージを曲調からも感じるということなのかな。

古賀「うーん、そんな感じだと思います!」

飯田「今回の曲って凄いエネルギーがあるなって思って。それは音を重ねていったり、でき上がってアニメで放送されてるのを観たり、あとライヴでやってみた時の感触として、だんだん感じるようになったんですけど。今までいろいろ出してきた曲の中でも実はずば抜けてエネルギーがある曲やなって思っていて」

■音像的に4人の音以外も鳴ってるんだけど、でもバンド感の強い、言ってみれば初期衝動感が強い曲だよね。

飯田「そう、Bメロのあの感じとかは凄い思いますね。楽器が4本ガチッと揃ってるみたいな。初期の頃にやってたアプローチを思い出します」

谷口「潔さみたいなものがあればいいなっていうのは思ってましたね。アニメ自体もフレッシュなものやし、自分達の今の状態とも合うなって思って。初期衝動感っていうか、4人がバッと楽器持ってかき鳴らしていくような、そういうイメージは考えながら作りましたね」

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text by有泉智子

『MUSICA7月号 Vol.123』