Posted on 2018.02.21 by MUSICA編集部

人に向き合い闘ってきたからこそ、今まさに爆風を吹かす
大進撃。何故今SUPER BEAVERなのか、渋谷龍太なのか。
7つのキーワードから紐解く「渋谷龍太・解体新書」!

自分も愛されたいっていう欲を理解して、
その上で反射的な心理で動けるのが愛だと思う。
結局は自分のためだっていうのを自覚することが
人に対しても一番の誠意だと思うから

『MUSICA 3月号 Vol.131』より引用

 

▼1. 真ん中のこと

■今回の取材は、4月の武道館ライヴを目前にしたタイミングも踏まえて、ここ2年のSUPER BEAVER躍進の核である渋谷龍太という人間に踏み込みたいと思った特別企画です。渋谷龍太を形成すると思うキーワードの数々から、立体的に語れればと思ってます。よろしくお願いします。

「なんか照れるけど(笑)、よろしくお願いします」

■まずはザックリ、自分の真ん中のことと言われると何を思います?

「自分で言うのも変だけど、真面目なヤツだなって思う。『固い』と『真面目』は紙一重で、俺は元々、どちらかと言えば固い人間だったと思うの。だけどその固さを真面目っていう言葉に変えられるんじゃないかと思ってやってきた過程な気がしていて……どちらにせよ、昔から『俺は、人にも物事にも真正面から向き合う人間になりたい』と思って生きてきた気がするんだけどね」

■ひとつのことに真剣に取り組む生き方や、物事に真正面から向き合う姿に一種の憧れを抱いて生きてきた背景にあるのは、具体的にはどういう経験なの?

「それは幼少期からのコンプレックスの裏返しだと思う。俺の周りには、生き様として男らしい人が凄く多くてさ。たとえば父ちゃんは人に慕われていたから、どこに行っても俺は『昇くんの息子』で。あと、成田っていういいヤツが親友にいて、どこに行っても俺は『成田の友達』でさ。それが悔しかったし、その一方で俺は父ちゃんや友達を自分の自慢にもさせてもらってきて。だったら今度は周りの人の自慢に自分がなりたいと思ってたんだよね。抽象的だけど、渋谷龍太っていう人間を確立したいっていう気持ちが昔から強かったのはそういう環境が大きいんだと思う。じゃあ男らしさってなんだって言ったら、いつもみんな、俺が困った時にすぐ助けてくれたんだよ。で、そういう周囲の人に対して凄い感謝をする反面、俺は情けないなあと思うことも多かったからこそ、いつか周りの人達に『渋谷龍太にカッコいい生き方を見せてきてよかった』と思わせたかったんだよね。そう考えると、やっぱり周囲の人っていうのが俺の真ん中なんだろうね。人情とか、仁とか、義とか……それは大事にしてきたし、俺がカッコいいと思ってきた人も音楽も、全部その『人情』に根差したものだったと思う。そうやって何事も人として接することで初めて、どこがコンプレックスで、どこが憧れなのかっていうことを自分で整理できたんだよね。その表裏を入れ替えながらやってきたかなっていう気がする」

■それを経てきたことで、渋谷龍太自身はどういう人間に変化してこられたの?

「何かを背負って立つっていうことを好きでやれる人間になったと思う。渋谷龍太を背負って立つ、昇と志津香の息子を背負って立つ、地元・新宿の友達の代表を背負って立つ、SUPER BEAVERをフロントマンとして背負って立つ、友達のバンド達を背負って立つ、SUPER BEAVERを好きでいてくれる人達を背負って立つ。……そういう背負い方を好きでやれるのが、渋谷龍太っぽい部分なんだと思う」

(続きは本誌をチェック!)

text by矢島大地

『MUSICA3月号 Vol.131』