Posted on 2018.02.21 by MUSICA編集部

11年目のメジャーデビューに投下したBIGMAMA流
百花繚乱シングル、『Strawberry Feels』の誕生と、
これからへの確かなる覚悟を、金井政人が独白する

もっと自分達の作った曲を信じようと思ったし、それを好きでいてくれる人を
もっと信じようと思ったんです。そしたら自分の本当に必要なところ、
もっと研ぎ澄ませたいところに焦点が当たった

『MUSICA 3月号 Vol.131』より引用

 

(前半略)

■メジャーに進出したからこそ、金井は今、己を語るより音楽を語りたいし、バンドよりも曲をメジャーに行かせたいんだよね。今回そういうスタンスになってる理由は何なの? メジャーデビューとは関係あるの? 金井が今、変わろうとしているの?

「年齢とかタイミングとか、全部なのかな……あと武道館もそうかな。『もっと本気になろう』、『もっとストイックになろう』って考えた時に、有名になりたいだの、ちやほやされたいだのっていう話じゃなくて、俺はいいもの作って喜んでいたいだけなんだなって改めて考えて。お金持ちになりたいかって言うと、関わってくれた人がちゃんと安心して暮らせるだけは稼ぎたいけど、それ以上の欲は別にないし。……自分達のやってきたことや作ったものを大切にする方法として、喜んでくれるなら断らずに何でもやるっていうスタンスでずっとやって来たんだけど――」

■わかってるよ、その最初のものが一緒に走った東京マラソンだったよね。

「はははは、そうだったね。そこで得たものも凄くたくさんあって、それは財産であり誇りだし。そこで得たものも凄くたくさんあって、それは財産であり誇りだし。で、いろんなものを経た今このタイミングで、一番大切なものは曲であり言葉であり歌詞だなっていう意味で、大切にする仕方を変えたかったんです。でもいきなりこの方法をとるのって不親切だし、今まで協力してくれた人との関係性もあったり、難しいことも凄くたくさんあるんだけど、少なくとも音楽なんだからあらゆることに関して答えが近過ぎるのはよくないなって思って。不親切な説明かもしれないけど、それが音楽にとっては親切なことだってわかったし、信じてるので、その気持ちを裏切りたくなくて。今って何かを調べたいと思ったらすぐ検索して答えが出てくるじゃないですか。ミュージシャン然りですけど、サービス合戦になってるところから、このタイミングだからこそ一旦降りようっていう気持ちなんです。『ちゃんといいものを作ろう。作ったものがちゃんと語ってくれるようにするにはエネルギーをどう注いでいったらいいんだろう?』っていうほうへ向かうと――メジャーデビューとか言われるタイミングに似つかわしくないけど――ここから先ってフィジカルで言うとどんどん劣化していくものだから、自分で磨いていくべきものや見せていくべきものは何かってことを考え直す時間があって。でもちゃんといい曲を作っていいライヴをして、同じものを好きだって言ってくれるしかっぺのような仲間を宝物に思っていくことの中で、考える時間を凄く大切にしたいなって思ったし、そのために自分が今までしてきたことを否定するわけじゃなくて。ちゃんと言葉を選ぼうとか考えようとか、それで口数を減らそうとか、いろんなものを削ぎ落そうとしたら結構自分がいなくなって。今ここでも上手く喋れてないのも申し訳ないんだけど、でもこの自分がいなくなっているのはマイナスではなく、間違いなくBIGMAMAにとっては可能性なんですよ。それを回りくどく今伝えてます」

■このタイミングだからこそ本当にいろんなことを考えたんだね。いろんなことを考えたからこそ、この曲は出てきたんだね……ってことは伝わった。

「はい。凄く責任があるし、責任のないものは嫌いだから。今まで作ってきた分の1にしか過ぎないけど、でも、今まで作ってきた100曲があるからこその1曲だなって。それって武道館の時も思ってたことで、1,000本くらいライヴやってるうちの1だけど、でも1分の1,000だし。この曲も、この3曲も、それを思った上でちゃんと更新してないとダメだなって思ったし」

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text by鹿野 淳

『MUSICA3月号 Vol.131』