Posted on 2018.05.23 by MUSICA編集部

日本全国全世代の絆そのものになったWANIMA、
ストイックに祈りの歌と同化した『Everybody!!』ツアー、
そして新曲“りんどう”と“Drive”の素晴らしさ。
その全部を語り尽くす、WANIMA現在地直撃特集!

何をやるにも、みんなが集まってひとつの場所ができている感覚がある
WANIMAの一員が増えれば増えるほど、「KENTAもっとやれるぞ」って、
どんどん自由にしてもらえてるんですよね(KENTA)

『MUSICA6月号 Vol.134』より引用

 

(前略)

 『Everybody!!』が累計30万枚のセールスを記録、今ツアーは合計20万人を動員、テレビをつければ広瀬すず出演のCMから“シグナル”がバンバン聴こえてくる――昨年末の紅白出演以降はさらにマスへと開き、名実ともに国民的存在になったWANIMA。しかし『Everybody!!』を聴き返せば、比較的メロディと歌に重心を置きつつも、猛進するビートがその髄を貫いているシンプルなパンクロックアルバムであることがよくわかる。一切マーケットへの目配せをすることなく、ただただ歌の説得力とバンドの鍛錬と増え続ける仲間との絆だけを音楽に結晶化させていくだけだと言わんばかりの、どこからどう見ても最高の「ロックアルバム」である。どれだけ状況が巨大に膨らもうが、どれだけあらゆるメディアに露出しようが、肝心の音楽自体は一切何にも寄らず、4年前と一切変わらないまま人の心の真隣で歌い続けている。

 で、WANIMAの凄さはそこにあって。ロックバンドとしての回路と筋肉を増強することとメインストリームに侵攻していくことの「バランス感」や「いい塩梅」を一切選ばない。ライヴハウスで唾が飛ぶほどの距離で人と対峙する時も、テレビの中から不特定多数へと歌う時も、それこそ巨大なアリーナの真ん中に立って歌う時も、とにかく歌って歌って伝えるだけ。それが一切ブレないから彼らは消費されないし、歌が純粋な歌のままあらゆる境界を越えて届きまくっている。最近のライヴでKENTAがよく言っている「テレビやラジオでできないことをライヴでやってます」という言葉の通り、ロックバンドとしてひたすらストイックに歌い続けることと、その外界へと踏み込んでいくこと。その半々をとるのではなく、どちらとも100で取っ組み合っているのである。

(続きは本誌をチェック!)

 

(前略)

■『Everybody!!』ツアーの宮城セキスイハイムスーパーアリーナと、先日の幕張メッセを拝見したんですが、もの凄かったです。今回は全部で20万人動員のツアーだと伺ってますが、演出も山盛りな一方、基本的には歌と演奏の集中力であれだけの人を巻き込みまくってることに大感動して。

KENTA「嬉しかですね!! 自分達としても、チーム全体で集中してライヴに向かっていけてるツアーやと思っていて。アリーナ編で初めてセンターステージにしたんですけど、それも『ライヴハウスで育ったバンドだから、スタンディングにこだわりたい』っていうところからやったんです。それで可能な限りお客さんの近くに行きたいって考えて、センターステージにしようと。で、センターステージにしたはいいけど、当然、逃げ場がなくてライヴハウスより難しくて(笑)。だけど、3人で話していてもチームで話していても、結論は歌をしっかり届けるっていうシンプルなことだと思って――そこに向かって集中できてると思います」

■今回のツアーのアリーナ編は、ド派手なステージ演出や特効が山盛りじゃないですか。あそこまで振り切れたのも、結局は歌なんだっていう焦点が絞れていたからこそなんですか。

KENTA「そうです。やっぱり、僕達の曲が一人ひとりの歌になってるっていうことを改めて感じさせてもらったので。歌をみんなが会場に持ってきてくれて、だから一緒に開催できる。そういう中で、改めて、歌の一つひとつを中途半端にできないと思ったんです。だから、結局は歌をみんなと歌うことが大切だっていうのは変わらなかったですね」

■WANIMAは、そこに何を乗せてもブレないって思えるくらい、歌と、それを歌ってくれる人への信頼があるんだろうなと思います。

KENTA「やっぱりそこがブレたら、『なんかガチャガチャしとったけど、何が言いたいのかわからんかった』ってなっちゃうじゃないですか。来てくれるからには驚かせたいし楽しんでもらいたいし、そういう演出をしていくためには、結局は歌なんですよね。それは僕ら自身も発見と経験でした」

■KO-SHINくんはどうですか。

KO-SHIN「自分は……終わった後に必ず『まだ上を目指せる』っていう反省が残るし、満足できない。アリーナが初めてっていうこともあって、新しい反省点も多くて。技術的な面、演奏面に限らず、立ち居振る舞いだったり1日のライヴの流れだったり全部含めて考えるようになりました」

KENTA「僕は、お客さんの表情や歌に凄くグッきました。それに今回は、WANIMAならアリーナでこう闘うよっていうのを凄くイメージしたんです。たとえば、普通はアリーナでセンターステージをやるバンドってあんまりいないと思うんです。逃げ場がないから。でも、それでもWANIMAならそれをやれるっていうのを思ってたんです」

(続きは本誌をチェック!)

text by矢島大地

『MUSICA6月号 Vol.134』