Posted on 2018.06.23 by MUSICA編集部

遂に到達した、歓喜と喝采の人生賛歌『歓声前夜』!
ロックバンドに胸焦がした原風景と目の前にいる人だけを
瞬きもせず見つめてきた純真なる軌跡、そのすべてに
祝福と拳を捧げるSUPER BEAVERバックカヴァー特集!

 

4人だけでスタートしたバンドだからこそ、
自分でアクションを起こすことの大事さを
知ってるから。自分で行動できた時の感動や自信は、
歌や音楽っていう場でも生むことができるって信じてるんだよ(渋谷)

『MUSICA7月号 Vol.135』より引用

 

■SUPER BEAVER史上最も大きな到達点になるアルバムだと感じました。

柳沢亮太(G&Cho)「おお、嬉しい」

■2012年にインディーズに戻った一撃目として“歓びの明日に”でリスタートして、『未来の始めかた』というアルバムを作りましたよね。歌われていることがあの頃からの線上にしっかりある点にしても、アッパーでFunなリズムが真ん中にある明快な音楽的にも、“歓びの明日に”から始まったバンドが今『歓声前夜』というタイトルを掲げることも、ここまでの道程が結実したっていうふうに受け取れたんですが。

渋谷龍太(Vo)「おお。俺も、歌ってることにしても作り終えた後の感覚にしても“歓びの明日に”や『未来の始めかた』を作った時に凄く近い感覚があったんだよね。だから今、言ってもらって凄いと思った」

■この『歓声前夜』と『未来の始めかた』にどういう近似性を感じてるんですか。

渋谷「着実に聴いてくれる人が増えて大きなところでやれるようになってきて、その現状を加味した上での等身大を出した結果として、人の輪っかの広がりを実感しながら作れた気がするんだよね。それを実感したことで、『未来の始めかた』みたいに、人との距離感が近い歌ばかりになってきて。大きな視野を持っていながらも、ステージの大小に関係なく気持ちよくできる曲が揃ってると思っていて。内緒話の距離でも歌える曲もあれば、大声を出せる曲もあって……そういう、いろんな人との距離が歌と曲に出てるって思う」

■目の前にいる人も遠くにいる人も同じ「ひとり」として歌い続けてきたからこそ。

渋谷「そうそう。個々であるっていうのは絶対ブレてないところだからさ」

■上杉くんはどうですか。

上杉研太(B&Cho)「俺は、ここに辿り着くためにいろんな作品を作ってきたような気がしていて。今までは自分達のステージを大きくするようにして曲が生まれてた部分もあったんだけど、それを踏まえて違う大陸にドーンと行けた感覚がある。それは何かって言うと、頭で狙って作れるようなものじゃない音楽だなって思うの。それはつまり純度が高いものをそのまま出せたっていうことで」

■どうしてそうなれたと思うの?

上杉「やってきたことと目指してきたことが、日本武道館っていうひとつの到達点を超えたところでリンクしたんだと思う。あれだけの規模でのライヴをやれたからこそ、自分達の状況や音楽性、人と人……その全部をちゃんと巻き込めるヴァラエティ感や純度が出せたんだろうなっていうのは思いますね」

藤原“30才”広明(Dr)「でも、一生懸命ヴァラエティ感を作ろうとしたわけではなく、自然とヴァラエティ感が出た作品だなと思ってて。たとえばさっき、ぶーやん(渋谷)が『人との距離感が近い』って言ってたけど、そのぶーやんの歌に対して、サウンドも音色も寄り添ってやれるようになった結果だと思うんだよね」

■渋谷くんが目の前の人にも遠くの人にも届く歌を歌えるようになって、それに対する必然性を持って音楽を作れるようになった結果、ヴァラエティ感が出たっていうこと?

藤原「そうそう。実験的なこともやったと思うし個々での挑戦もあったけど、そういう道程があった上で、4人ともが歌や言葉の向かって行くほうに鳴らせてる感覚があって」

(続きは本誌をチェック!)

text by矢島大地

『MUSICA7月号 Vol.135』