Posted on 2018.08.15 by MUSICA編集部

振り切った新しいロック桃源郷で弾け飛んでない!?
カップリングのメッセージ、さらに胸の奥に刺さらない?
KEYTALK、新しいのに「らしい」最強ソングにて、
4人の真夏のサドンデスマッチがキックオフ!

 

これまでも切なくて明るい曲はありましたけど、“Cheers!”は配分として
明るさに振り切れてる。そういうリード曲は今回が初めてだと思うんですよ。
その新しさが、もしかしたら今後の新機軸になるんじゃないかなって(小野)

『MUSICA8月号 Vol.136』より引用

 

(前略)

■“Cheers!”はもう、すべてが全開の曲ですけど、この曲はどういうふうに出てきたの?

首藤「この曲を作るにあたっては、ほんとに松岡修造さんの存在が大きくて。松岡修造さんから『一緒にやるにあたって顔合わせをしたい』と言っていただいて。そこでこのプロジェクトに懸ける想いを教えていただいて、そしたら、修造さんの言葉から『こういう曲がいいんじゃないか』っていうのが不思議と脳内に溢れてきて」

■Aメロからサビにかけてビート感が大きく変わっていくことも含めてリズム展開が多いし、ブリッジにはストリングスも入っている。歌詞にしても、「C.C.レモン」のタイアップに対してサービス精神が凄いよね。<ドキドキな炭酸>、<シュワッと刺激的な毎日>、<はじけ飛ぶイエロー>とか。その全部を3分23秒の中に詰め込んでいる曲で、ここまで詰め込んだアンセムも久々だと思ったんですけど。

首藤「確かに、言われてみればそういう感じですね。でも自分としてはそんなに詰め込んだ感覚はなくて。自然と出てきたものを散りばめただけっていうイメージですかね。特に頭を抱えることもなく」

八木「でも、全開な曲だって言われたのはシックリくる気がします。僕らとしても、ここまで開けた曲は意外と珍しい気がしていて。その上で、特にサビで義勝節というか――明るい曲なのに胸が締めつけられるようなメロディが出てきたりするし。義勝らしさを残したまま開けた曲ですよね」

■まさに。巨匠は“Cheers!”を聴いた時にどう思ったんですか。

寺中「もちろん『C.C.レモン』に繋がるイメージの言葉もそうなんですけど、曲全体として夏感があるのが印象的で。直接夏に結びつくワードはないのに、曲全体を通して感じるイメージは夏っていう」

■確かに、季語がないのに夏のイメージになるのは面白いね。

首藤「自分でも、でき上がってみて夏を感じたんですけど……これはたぶん、広瀬香美さんの“ロマンスの神様”現象ですね」

■ん?

首藤「ああは歌ってるけど、実はゲレンデが関係ない歌っていう(笑)」

■なるほど(笑)。

小野「とにかくかなり開けていて、これがKEYTALKのニュースタイルになっていく曲なのかなっていう気がしました。具体的に言うと、たとえばこれまでも切なくて明るい曲はありましたけど、“Cheers!”は配分として明るさのほうに振り切れていて、そういうタイプのリード曲は今回が初めてなんじゃないかと思うんですよ。その新しさが、もしかしたら今後の新機軸になるんじゃないかな?って。作ってる時にピンときたのは覚えてます」

■今回は『Rainbow』を出した後の処女作だし、新しいタームのキックオフソングでもありますよね。それは『Rainbow』っていう作品がエッジとダークネスも見せていく作品だったからこそ、逆にここまで屈託なく燦々とした曲を出したいっていうストーリーもあるのかなと思ったんです。

首藤「確かにそれはあると思います。もちろん『C.C.レモン』に書き下ろしたからこういう曲ができたとか、いろんなことが重なり合ってのことだとは思いますけど、でも実際、『Rainbow』があったことで、こういう開けた曲が生まれたところもあると思います。まさに今までもそうでしたけど、直近に作ったものとは違うことをしたくなるっていう流れで来ましたし。だから、僕ら自身もここからどう広がるのか楽しみなんですよね」

(続きは本誌をチェック!)

text by鹿野 淳

『MUSICA8月号 Vol.136』